唐突にママチャリでつくば道を登ろうと決意したのは1年と2ヶ月前。坂の途中から自転車をひ〜こら言いながら押して登った経験が、今の自転車生活を支えていると言っても過言ではありません。登りの辛さ、それ故に登り切った時の満足感、そして下りの爽快感。
ただ、当時は自転車で筑波山神社まで登る事が目的だったので、その後数回程筑波山神社へ行って以来、神社方面とは疎遠になっていました。
自転車もママチャリからMTBルック車、そして今ではクロスバイクへと変更し、自分なりに走力やら体力も付いてきたと思います。そこでお礼参りを兼ねて、再びつくば道にチャレンジです。
そんなワケで1.5リットルの水を持って出発。
つくば道の出発点(県道139号線で言えば終点)はとてもわかりやすく、「ここからつくば道」の石碑が建っています。出発した途端、緩い勾配が暫く続きます。地元の中学生が立ち漕ぎしながら余裕で登っていく程度の傾斜です。
つくば道入り口の石碑
程なく道は下りへと変わります。
最初の坂を登り切ったところ
暫く走ると道は平坦になり交差点に出くわします。ここは左へ。
ここは左
走るとすぐに案内板があり、ここを右へ。
神郡方面(右)へ
暫く走るとまた交差点ですが、ここは右へ。
交差点を右へ
そのまま道なりに進みますと、とても趣のある家並みに出会えます。
白壁造りの家並み
あまりの素晴らしさに自転車を停めて見学する事しばし。前回通った時は、この光景の美しさに全く気づいていませんでした。
単に筑波山神社だけを目指していたあの時。見知らぬ景色を堪能するなんて事も知らなかったあの頃。片道15キロ以上ものサイクリングなんて生まれて初めての経験だった事もあり、余裕のなさもあってこの美しさを微塵も感じる事はできませんでした。
やがて県道139号線の標識と、「つくば市臼井」の案内板が。
県道139号線の標識
つくば道を北条側からスタートしますと、若干のアップダウンの後、道は平坦になります。そして激坂登りの起点とも言えるのがこの場所になります。
最初はごく緩い登り勾配ですが、少しずつ傾斜がきつくなってきます。すぐに分岐がありますが、ここは右へ。
ここは右
程なくお蕎麦屋さんが。前回もここまではなんとかママチャリを漕ぎながら登ってきました。休み休みではありましたが。
お蕎麦屋さん
前回は、容赦なく照りつける日差しと滝のように流れ落ちる汗、なかなか下がらない体温に危険を感じて、このお蕎麦屋さんで食事も兼ねての休憩としました。手打ちのとても太くて短い麺(それはまるで台湾の刀削麺のようなお蕎麦)だったのと、抹茶とお茶受けがお蕎麦の価格に含まれていたのを今でも覚えています。拭っても拭っても止まらない汗。そして、汗をかいてもかいても下がらなかった体温。結局このお蕎麦屋さんで1時間半も過ごしたのだっけ。
でも今は!あの時とは比較にならない程の汗をかいています。体温が下がらなくて苦しいなんて事もありません。前回とは違ってヘルメットを被り続けているにも係らずです。まるで服を着たままプールに飛び込んだかのようです。この1年間の自転車生活で一番変化したのは、実は体質改善だったのだろうなぁと実感しつつ、なんだかとっても嬉しくなりました。
そんな事をほんの数秒の間に感じて、再び出発です。程なく鳥居が見えてきました。
前回は、お蕎麦屋さんからこの鳥居までの距離がとてもとても長く感じたものです。実際にはすぐの距離だったのですが・・・しかしながらこのわずかな距離を進むのにも何度か休憩したため、とても長く感じたのでした。何しろ暑くて暑くて・・・
でも、今回は見た目どおりの時間であっと言う間に登ってきました。
ここは真っ直ぐ鳥居の下を潜(くぐ)って進みます。
鳥居
と、その前に。前回は数十分も休んだベンチを撮影しつつ、今回もここで休憩する事にしました。ベンチがあるのと僅かながら木陰がありますし、それにここから先はいよいよ勾配がキツくなりますからね。水分を補給して、2〜3分くらいは休んだでしょうか。気を取り直して出発です。
ここからは狭くて急勾配の激坂が続きます。舗装もアスファルトから、パターンが刻まれたコンクリートへと変化。おそらくは滑り止めなんでしょうね。まぁ、そのくらいの激坂なわけで。前輪が浮かないようにフロント側に体重をかけて、ノロノロノロノロ進みます。
と、とても興味深い塀を発見しました。塀がまるで段々畑のようになっているのです。
段々畑のような塀
急傾斜であるにも係らず、つくば道の両脇には家々が立ち並びます。勿論、家は水平に建てられていますが、塀は道の傾斜に沿う様、こんな風に段々になっているんですね〜。
こんな道が他にあるんだろうか?日本の道百選に選ばれているだけの事はありますね〜。
更に登りますと、なんだかとても立派な塀のお屋敷を発見。塀自体が写真に納まらないくらいに長いのと、それぞれの段ごとに屋根瓦があるのでびっくり。昔で言えば豪族の方のお屋敷なのかな〜?なんて勝手な想像。
段々畑のような塀の上に瓦が・・・
そんな事を考えながら写真を撮っていると、2台の車とすれ違いました。1台目の車の運転手さんは、すれ違いざまこちらに一礼。私は単に写真を撮りたかったから停車しただけなんですが、下ってきた彼女にしてみればそのタイミングで脇道に回避した私を見て、道を譲ってくれたと思ったのでしょうね。まぁ、一時が万事こんな感じで、狭くてお互いを思いやらないとすれ違いもできない道が続きます。
そんな事を考えながら登っていると、T字路に出くわします。ここは右が正解。
T字路を右へ
因みにここは筑波第一小学校のすぐ側。こんな激坂を歩いて登ってくる小学校のお友達は、きっと人並み外れた体力の持ち主なんだろうなぁ。(筆者中:その後地図を確認しても小学校の文字は見いだせず。もしかすると廃校になっているのかもしれません)
右に曲がるとすぐに左へ。そのまま進むと、なんと階段が出現します。
なんと階段が・・・・
ここは素直に自転車を担いで階段を登るしかありません。登り切ったところは、茨城県道42号線です。
横断歩道を渡るとまた階段・・・・
県道42号線の先にも階段が・・・
更に階段を登ると、僅かな登り坂の先はまたまた階段。ほんの僅かな距離ですが、ルールに従って自転車を漕いで登ります。
坂の上にまた階段が
またまた自転車を担いで階段を登ると、神社入り口への道があります。ここは右へ。
ここは右へ
そして程なく筑波山神社入り口へと到着です。
筑波山神社入り口
神社入り口の石柱をよく見ると・・・・
つくば道の文字が
そうです。ようやくつくば道の終点(県道139号線で言えば起点だけど)に辿りついたのでした。
ああ、ようやくつくば道を登りきりました、自転車で。バンザ〜イ!
つくば道を、例え何十回休んでもいいが、決して押して登ったりはしないというルールの今回の旅。終わってみれば、あっけないくらいに楽でした。
同じ標高差を、片やつづら折りの道で長距離・長時間登った場合。一方、急傾斜ながら最短距離で登った場合。
結果として、後者の方がはるかに楽でした。なんでかな〜???? ・・・・・・!
理由は簡単。同じ高度を登るのであれば、急傾斜の道を進んだ方が短距離で登れます。獲得標高が同じなのであれば、傾斜が急な方が体力的にも精神的にも(忍耐力的にも?)楽に決まっています。
ただ、つくば道がちょっと異様なのは、徳川時代に造られた道であるがために車が登るのには適していないだけの事なんですね。
ええ、車が適していない→自転車はもっと適していない道なんだからね。まぁ・・・・しょうがないか♪(笑)