最初の小貝川ポタリングは、下館にある水戸線との合流地点から川を下る形で始まりました。そしてその終わりの地点である利根川との合流地点までたどり着きました。
下館の上流も探検してみたい気持ちはいっぱいでしたが、下館へ行くだけで30キロ。そこから小貝川沿いを走って戻ってくるとなると、一体全体どの程度の距離が必要になることか。実行しようとすると、ある条件が必要でした。
5月上旬の今こそ、そのチャンスではないか。では、行ってみよう。
今回の旅は、原則として右岸を走る事にしました。小貝川の左岸は突然ダートになったり道がなくなったりの経験があったものですから。
ふと小貝川の方を見やると、筑波山ははるか後方です。結構遠くまで来たんだなぁと、実感。実際のところ、この時点で30キロ以上走っていますしね。しかし、これからが本番。水分を補給して少しだけ休みました。
小貝川と筑波山
さて、いよいよ出発です。それにはまず、水戸線の線路をくぐらねば。
水戸線との合流地点
小貝川のこの付近では、完璧なまでの車止めが随所に待ち受けています。自転車も一時停止して歩かなければ通過は不可能。
車止め
同じ小貝川でも、もう少し下流域ではなんとも中途半端な車止めがあったりもします。ほとんどの車止めはバイクは簡単に通過でてしまいます。また、車止めはあるんだけど、軽自動車は楽に、3ナンバーの四駆でも慎重に操作すればなんとかすり抜けられる程の幅があったりとか。
その点、この下館地区の車止めは完璧でした。これは堤防上の道は勿論の事、側道からCRへ合流する地点にも必ず設置されています。四輪は勿論、原付・バイクも侵入は不可能です。そういう意味で歩行者や自転車は安心して走る事ができますね。
でも、見方を変えれば・・・カッ飛びたいローディには魅力のない場所ではないかな〜?実際のところ、この日見かけたスポーツバイクはロード乗りの2人だけ。一人はぱっと見に60過ぎの方、もう一人はヘルメットも装着せず普通の服装でのんびり走っている方でした。
道幅は広く、舗装の状態はとても良好です。そしてゴミらしきものがほとんど見当たりません。ガラスの破片で何度もパンクしたりんりんロードとは大違い。
また、この辺りでは、自分がどの程度走ったかを200メートル単位で知る事ができます。
小貝川CR。63.4Km地点
しかも1キロ単位で白線が引かれているという念の入り様。
65キロメートル
自転車で200メートルとか1キロとかは誤差の範囲内でしかありませんが、走っている人や歩いている人にとっては、きっと大きな励みになる事でしょう。
また、他の川沿いのサイクリングロードでは見たことがないものを発見しました。それは、ゴミ箱です。65.8キロ地点にはゴミ箱とベンチが設置されていました。
休憩所の注意書き
さすがに申し訳なくてここにゴミを捨てる事はしませんでしたが、ベンチでしばしの休憩をとらせてもらいました。自宅を出発して40キロ以上、これまで全く座る事ができませんでしたから、この心遣いはとても有り難かった。
完璧なまでの車止め、綺麗な路面、そしてゴミを捨てられる休憩所。「どうかここでの走りや歩きやお散歩を楽しんでください」という、河川管理事務所さんの強い想いがよく伝わってきました。
川沿いの道は景色の変化が乏しく、そういう点から考えるとちょっと退屈に思えるかもしれませんね。でも、川沿いのCRにもそれなりの楽しみ方があると思っています。
例えばその川が海へと注ぐのであれば、下流に進むにつれてだんだんと広がってくる川幅を眺めつつ、やがては海にたどり着けるという楽しみ。
一方、小貝川のようにそうではない川の場合、上流に行くに従って狭くなる川幅とだんだんと綺麗になっていく水面。あるいは、自然の色が濃くなって、その源である山に少しづつ近づいているという楽しみ。
今回の旅は後者です。そして上流に行くに従って様々な鳥の鳴き声を楽しむ事ができました。「ホー、ホケキョ」(鶯)、「クェー、クェー」(雉)、チュンチュンチュン、チッチッチッ、キッキッキッキッ(最早なんだか分からないけど)。
川べりにはたくさんの草や木々。だからこそ魚も棲息することができ、水も清らかさを保つ事ができ、そして釣り人やたくさんの野鳥が集まり。もし、これがコンクリートで護岸されていたとしたら、そのいずれも堪能することはできなかったでしょう。
小貝川の河川敷
空はどこまでも青く、川の水は清らかで心地よい音色を醸し出し、そして野鳥のさえずりは高らかに響き。私にとっては最高のサイクリングロードです。
ふと景色を見やると、加波山もはるか後方の位置に。
筑波連山。写真中央左が加波山
川幅は下流域と比較するとかなり狭くなっており、利根川との合流地点からかなりの距離があるという事を実感しました。
次の写真は70キロ地点(利根川との合流地点から70キロ)で撮影したもの。少し先に北関東道が見えます。
70キロメートル地点
ここで茨城県の地図を広げて自分の位置を確認しました。緯度だけに注目すると、水戸市中心部よりも北にいる事が分かりました。まだまだ旅の途中ですが、自宅から自転車で訪れた中でのもっとも北にいる事が分かりました。
ペダルを漕いでいる時にはわかりませんでしたが、こうやって地図を見る事によって改めて「遠くに来たのだなぁ」と実感。
上流に向かってひた走る事しばし。対岸(左岸)にあづま屋が見えました。「まるで川の一里塚だなぁ」と思い橋を渡ってみると、やっぱり川の一里塚でした。
川の一里塚
しばし休憩する事に。川沿いの道って滅多に休憩ポイントがありませんから、とても助かりました。
近くにあった看板に「真岡」という地名がありました。ん?真岡って茨城県のどの辺だったかなぁ?茨城に引越してから4年半。ある程度の地名は覚えたのですが、しばらく考えても分かりません。え〜っと?真岡、真岡・・・・!
真岡(もおか)って栃木県の地名だった。いつの間にか茨城から栃木へと移動していたのですね。自転車で栃木県へ来たのはこれが初めてです。
距離だけを見ると大したことはないのですが、異なる県へと移動しているとわかっ時点で「ああ、本当に遠くまで来たのだなぁ」と、強く実感しました。
左岸を走っていると堰が見えました。堰の名称は不明ですが、利根川との合流地点から75.8キロメートル。距離が分かる写真はこれが最後となりました。
75.8キロ地点
再び右岸に戻って走ることほんの少し。ついに舗装路はダートへと変わりました。記憶に頼っていますが、80キロ地点付近だったと思います。
舗装路の終わり
少し先を走っていたロード乗りの方がここで停車していました。挨拶すると「舗装路はここまでなんですかね?」と。「私も今日初めて探検したのでなんとも。対岸はどうでしょうか?」「対岸も舗装されていませんね」「そうですか。そういうデリケートな自転車で砂利道を走るのはやめておいた方が無難じゃないですか?」「ええ、諦めてここで引き返す事にします」
私も今日の小貝川探検はここまでにする事にしました。ここまでの走行距離と帰りの道のりを考えると、ここで引き上げるのが無難と思ったので。
先の写真に写っている橋は、栃木県道257号線でした。調べてみると益子町が近いようですので、そこでお昼をすることに。
「益子焼」というのは高校生だった当時(30年以上も前)に聞いた事があります。ただ、それが栃木県にあるとは全く知りませんでした。
看板などを頼りに走る事しばし。益子駅に到着しました。なんだかとってもおしゃれな駅舎だったので記念撮影。
益子駅
食事の後は地図を頼りにJR水戸線岩瀬駅へ。そこからはりんりんロードなどを経由してどうにか明るいうちに自宅へ。
本日の走行距離117キロメートル。久々の100キロ越え/一日でした。