ママチャリダー 多摩湖へ行く

レンタサイクル

唐突に冒頭からママチャリの写真。実はこれ、レンタサイクルです。以前、吉祥寺LONLONの駐輪場にレンタサイクルがあるという情報を得ていました。

今日の愛車は、内装3段変速、前後輪空気がスカスカ(-""-;)、レンタル料300円の自転車です。(持参のポンプで空気を入れました(-""-;)

本日のルート

大規模自転車道の中で、特に興味を引かれたのがここ。都心からほど近く、住宅が立ち並ぶこんなところに大規模自転車道。一体全体どんなところなんだろう?

多摩湖自転車道の正式名称は「一般都道保谷狭山自然公園自転車道線」。起点:西東京市新町三丁目、終点:東村山市多摩湖町三丁目、全長21.9kmとの事。詳細は国土交通省のページをご覧ください。

基点はJR中央線武蔵境北口から歩いてもいけるくらいの場所。武蔵境はサイクルをレンタルした吉祥寺駅から2つ隣の駅。こんな好条件が重なって東京サイクリングの実現となりました。

地元民で今日の相棒となる友人とは、武蔵境駅北口で待ち合わせ。相棒は到着するなりコンビニで水を購入。更に、「空気を入れてきた」と、こちらの心配を吹き飛ばすような発言。あれ?なんか、サイクリングやら自転車の事をよくわかっているなぁ・・

そんなこんなでスタート地点へ向けて出発。途中、境浄水場を確認。多摩湖自転車道は、多摩湖から境浄水場へ至る水道管の上に整備された道です。出発点もそろそろか?と思ったけど。不慣れな土地故、通りの名前なんてちっともわからない・・

相棒に案内してもらって、どうにかスタート地点に到着。

本日のルート

まずは準備

今日のルートは片道およそ22kmの往復。ほぼフラットな道で、自分にとっては軽いポタリングですが、サイクリング経験のない相棒にはかなり辛いだろうなぁと。行けるところまで行って、無理そうだったら帰ってくるという条件つきです。

そして、おそらくは距離の長さよりもお尻の痛さの方が先に来るだろうなぁ、と勝手に予測。何しろ私もかつてはママチャリダーで、その点が一番苦労しましたからね。今は使っていないママチャリ用ゲル入りサドルカバーを持参して、相棒の自転車に装着。

2009年2月14日。本来ならば冬の真っ最中のはずですが、今日は冬型が弱まり、まるで春の陽気。絶好のサイクリング日和。(^o^)

フリースのジャンパーを脱ぎ、そしてドリンクと一緒に前かごに収納。荷物の収納を考えると、前かごはいいですね〜。本当に久々のママチャリにちょっと嬉しくなったりして。

そんなこんなで多摩湖へ向けて、ママチャリダー1号・2号(あ、勝手に自分が1号と決めました)、いざ、出発進行〜。

せ、狭っ!

スタート地点

道幅を見て目が点状態。人が歩いているので幅がわかると思いますが、けして一方通行ではありません。交互通行でこの幅しかないのです。しかも人や自転車がいっぱい。

つくば市メインストリートの歩道の半分の広さもない。しかもつくば市近郊の歩道って、まず滅多に人が歩いていませんからね。たま〜に、自転車が走っているくらい。気がつけば時速30キロくらいで走っていた事もあります。(まぁ、これはこれで異様なんですけどね)

それに比べると、都会で自転車に乗るのは厳しいなぁと実感しました。

スピード出せない

道の狭さ、人や自転車の多さに加え、ちょっと走ればすぐに出現する車止め。ご丁寧に5重〜7重にもなっており、自転車は最徐行を余儀なくされます。「(自転車を)降りて通りましょう」などとの注意書もあちこちに。

車止め

走ってみると、距離以上の難敵が待ち受けていました。「速度が出せない」。このペースでは帰りの事を考えると、ゴールまで辿り着けるかどうかは微妙になってきました。

でも、今日の最大の目的はこのサイクリングロードを走ってみること。行けるところまで行ってみよう。

季節は突然に春

急に春めいたこの日、道のあちこちで梅が咲いていました。

CR沿いに咲いていた紅梅と白梅

天気予報によれば強い南風が吹くとの事でしたが、このサイクリングロードは住宅街の中にあるせいか、あまり風を感じる事はありません。たまに強い風を感じる時もありましたが、でもそれは春の南風。とても気持ちがよかった〜。

小平ふるさと村

西武新宿線花小金井を過ぎて暫くすると、ロード脇に「小平ふるさと村」があります。

昔の民家を再現した家

土間やかまどがあって、一段高くなったところに畳が敷いてあり。時代劇で見る家そのものです。

しかも、靴を脱げば畳の上にあがってもよいみたい。敷地面積は意外に広く、水車もあったり。これは貴重な体験をできますよ。休憩がてら見学する事をお勧めします。

小平駅前

小平駅前では突然サイクリングロードが途切れてしまいますが、歩道なり車道なりをそのまままっすぐ進めば大丈夫です。

小平駅前近辺

八坂駅前〜

水分や食料に不安がある場合は、この近辺で補給しておくといいですね。後から分かった事ですが、この先は道沿いにコンビニがありません。(東京だから、CRをちょっと離れて探せばいくつかは見つかるだろうけど)

二人でペットボトルを補給。私は普段のサイクリングではあり得ない、1リットルのスポーツドリンクにしました。なにしろ大きな篭がついてますからね〜。

さて、このあたりから歩行者や自転車の数が減って、比較的スピードが出せるようになります。

平均的なママチャリの速度で進まざるを得なかったこれまでの道のり。このままだとゴールまで行くのはできたとしても、時間内に帰ってくるのは無理そう。

サイクリング初体験の2号には申し訳ないけど、今日の予定(ゴールまで行くか、それとも途中で引き返すか?)を判断しなければならないので、歩行者と自転車に細心の注意を払いつつも、これまでの倍くらいの速度(時速25キロくらい)で走り続けました。

ついてこれるのか?それとも力つきるのか?

やがてCR沿いに「東村山消防署」の案内看板を発見。そうか、ここは東村山市なのだなぁ。ん?という事は、「庭先は多摩湖?ならば、ゴール間近か?」

そんな事を考えながら停車して待っていると、程なく相棒がやってきました。かなり遅れているとは言え、自分との時間差を考えると、平均的なママチャリの速度よりはかなり速かったはず。

「これだけの走力があれば、多摩湖へ行けるかもしれない!」

いよいよ多摩湖へ。しかし・・・

そのまま少し走ると、やがていかにも堤防と言った感じの盛り上がった箇所が目に入ってきました。フラットでまっすぐな道も終わり、曲がりくねったアップダウンの道が始まります。程なく多摩湖に着けるはず。

そろそろゴールか?と思ったが、甘かったです。後でわかった事ですが、確かに自分達は多摩湖のすぐ側にいます。しかし、サイクリングコースは多摩湖をぐるっと回り込むように続いており、実はここからが長いのでした。

その後はアップダウンながら全体としては登り基調。とは言っても平地プラスアルファくらいで、例えば街中にある跨線橋や立体交差程の傾斜はありません。人の数もぐっと減り、歩行者や自転車に注意しながら軽快に飛ばして行きます。

が、初めてのサイクリングで変速機なしママチャリの2号は、当然と言えば当然ですが、気がつけばはるか視界の彼方に消えていました。

ここまで走ってきただけでも大変だったろうに、追い打ちをかけるように登り基調の坂の連続。いくらなんでも変速機なしのママチャリで登りは辛いだろうと思い、停車。到着を待って変速機ありの自分の自転車と交代しようと申し出ましたが、意外な事に「まだまだ大丈夫。慣れている自分の自転車の方がいい」との返事。

顔色を伺うと、確かに疲労困憊と言った様子は微塵もなく。まだまだ行けそうと判断して、自転車を替える事なくそのまま出発。

ただ、そのままではさすがに申し訳ないので、以降は3速縛りで進みました。ケイデンスを見ていると、自分のママチャリで言えば2速あたりが、変速機なしのママチャリとほぼ同じくらいのギア比のようです。

3速ならば更に重たいはず。そこでアップダウンの続きそうなこれから先は3速縛りで走る事にしました。

フィールドアスレチック

途中でちらっとだけ多摩湖の姿が見えましたが、以降は全くその姿を拝む事ができません。心地よいアップダウンを繰り返しつつ、徐々に徐々に登っていきます。

と、なにやら楽しげな声が聞こえます。自転車を停め、車道を渡り声のする方に行ってみると、フィールドアスレチックの施設がありました。滑車にロープがぶらさがっていて、そのロープに捕まって滑るアレです。

歓声の主は、女の子と男の子と。・・・パパとママでした。皆でかわりばんこに遊んでる。いいなぁ・・

しかし、子供の楽しみを奪っては行けないので、物欲しそうに眺めていると・・・パパが、「やってみます?」と気を遣ってくれましたので、素直にお言葉に甘えました。

うわぁ〜、楽しい。しかも、楽しかった自分以上に家族全員で楽しそうにしてくれます。なんていい人達(^o^)。お礼を言って、その場を立ち去り、再びサイクリングの始まりです。

陸橋。登るか下るか?

ほどなく、道は二手に分かれます。陸橋へと登っていく道と、下へ降りていく道です。ここで一時停止。

かなり遅れて2号が到着。どちらへ行くか、というよりも、登りを選んでよいか?と強引な確認すると、登りでよいとの返事。

以前にも書きましたが「何とかと煙は高いところが好き」という、宇宙の大法則がありますからね〜。自然に高いところへ行きたくなってしまうのです。だはは。

登りきった所には、このCRで唯一の水道と屋根付き休憩所がありました。案内板もありました。

案内板で調べてみると、ここで道は更に二手に分かれます。まっすぐ行けばこのCRのコース。右へと下って行けば、ゴール地点へのショートカット。

しばし休憩

さて、まずは休憩する事に。ふと気がつくと2号は最後に立ち寄ったコンビニで購入したドリンクを飲み干していました。

心配になって自分のドリンクを飲むか?と聞いたところ、待ち合わせ地点で買ったドリンクがまだ残っているとの事。

いざと言う時のために、ちゃんと水分を残していたんですね〜。サイクリング初心者なのに、何か只者ではない雰囲気を感じて、ちょっと驚きました。

ショートカットするか、コース通りに回るか?ここが最後の分岐点ですが、コース通りに行くという2号の言葉を受け、ショートカットせずにそのまま進む事にしました。

ママチャリという存在

その後もアップダウンを繰り返しつつ、全体としては登りの道が続きます。このあたりまでくると自転車も歩行者もますます少なくなり、結構なスピードで進めるようになります。

とは言っても道幅はスタート地点と同じで狭い。ウォーキングやらゆっくりと進むママチャリやらお子チャマMTBルック車やら、そして見通しが悪いやらで、そんな場所では徐行せざるを得ません。

そんなこんなで速度を落としていると、ロード車が追い越していきました。

これまでは速度をセーブし続けてきたので、ちょっと物足りなかったところ。せっかくのチャンスなので、勝手に彼をターゲットにして、しばらく追走してみました。

やはりロード車と言えどもそんなにはスピードが出せませんね、この道は。ママチャリと同じ速度くらいしか出せないわけですからね。都会でサイクリングするのって大変。つくばって恵まれてるなぁ〜。

と同時に、ママチャリはサイクリングに向かないなぁとも思いました。走りそのものはそんなに悪くはないですよ。ただ、これだけのスピードを出すと、両立スタンドがガタガタガタガタと音を立て続けて、うるさいったらありゃしない。(^_^;

補給食

暫く進んだところで休憩所を発見。1号2号ともに朝食が遅かった事もあり、昼ご飯を食べてません。時刻は午後3時。食料補給のために休憩する事にしました。

私が用意したウイダーインゼリーとカロリーメート、どちらを食べるか?と聞いたところ、「自分が食べたいとは思わないもののために、カロリーを摂取するのはイヤ」と、予想外の返事。

す、すみませんでした〜。食べたいものを我慢してダイエットしているんだろうね、きっと。本当は自分のほうこそダイエットしなければならないのに、やる気ゼロだし・・・

言われてみれば、別に美味しいわけじゃないですよね。サイクリストは皆一様に、重たからず嵩張らず、それでいて効率的に必要な栄養分を採れるものを携行します。走り続けるための補給食ですから、美味い不味いは二の次。

でも、今日はポタリング、しかも篭がついているママチャリなんだから、美味しいお菓子でも買ってくればよかったな〜。ペットボトル1リットルだって、ヒルクライムやら100キロ越えならばともかく、この程度の距離で必要なわけなかったよね。

なんだかいつの間にか自分もサイクリストになっていたんだなぁ。反省。

結局2号が持参していたお煎餅を分けてもらって、食べました。非常食もしっかりと用意していたとは。やはり只者ではない。

ようやくゴール

カップルで泊まるホテル街を横目にみながら進む事しばし。休憩ン千円などと看板に書かれています。カップルでサイクリングしている場合、疲れ果ててしまったらこういった宿泊施設を利用するのも手かもしれませんね。

えっ?もっと体力を消耗しそう?

そんなこんなでアップダウンもやがて下りの連続に。そしてサイクリングロードは突然の終わりを告げます。

目の前には待望の多摩湖が。ママチャリダー1号2号、揃ってゴールです。ワーイ。

多摩湖

多摩湖は青かった。思っていた通り、武蔵野の水は綺麗だった。青い湖沼を見るのは本当に久しぶりです。

青い空と木々の緑と綺麗な水。都心からそれほど離れていない場所に、こんなにも豊かな自然が残っているんですね。

多摩湖はダムによって高さの異なる2つの部分に分けられています(地図)。ダムの上に車道があり、低い方に歩道があります。写真は歩道側から多摩湖の東半分(低い方)を写しています。

暫く自然を堪能し、休憩とストレッチをして帰途へ。ダムを渡って進むと、頭上に陸橋が見えてきました。単に多摩湖が見てみたい、あるいは、時間や体力に余裕がない場合は、陸橋を登らずに来た方がいいですね。

帰りは下り基調、そしてフラットな道。どうにか予定の時間までに武蔵境駅まで帰ってこられました。

感想

初めての都会サイクリング。田舎の道とは違って飛ばすには不向きです。でもさすが東京。舗装路なのに路面がガタガタなんてところはひとつもなく、砂利や砂や泥やガラスの破片が散乱しているところもなく。また、バリアフリー化が進んでいるのか、歩道の段差もほとんどなく。茨城の道とは全然違うなぁ。(ってか、茨城ひどすぎ?)

久しぶりのママチャリでしたが、これがなかなか快適に走ってくれます(空気入れを持参すれば)。飛ばせないこのサイクリングロードでは、ママチャリが一番のお似合いですね。

沿道には梅や桜の樹がたくさんありました。近くにお住まいの方は、多摩湖云々は別として、是非自転車なり歩いて景色を堪能する事をお勧めしたいです。

余談

初心者ながら完走したママチャリダー2号ですが、以前、自転車通勤をしていたとの事。更に、スポーツジムでエアロバイクを使ったかなり過酷なトレーニングをしていた事が判明。

ケイデンス60rpm維持とか、最後は全速力で漕ぐとか、驚くような内容。しかもSPDペダルのようになっていて、引き足を意識するという高等技術も知っていました。@o@;

初心者とは思えないこれまでの走りの理由がようやくわかりました。

そして、それだけの基礎があるんだったら、是非スポーツバイクに乗って欲しいなぁと思いましたね。ママチャリではせっかくの走力も生かしきれませんから。

いつかまた一緒に、今度はスポーツバイクでツーリングしたいなぁ。もっとスピードが出せるところで。

ま、なにはともあれ、ママチャリダー2号本人が楽しんでくれたようでよかったです。

秘密結社「庶民チャリダー倶楽部」による、「自転車大好きにな〜れ」脳改造計画は秘密裏に成功した模様です。めでたしめでたし。

自転車は楽しければよいのですから。例えママチャリでも。v(^o^)


庶民チャリダー

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