道祖神峠 〜 林道今泉阿国線

最近、自転車で走る場所のコースが思いつかなくなって来たなぁ〜と、思う今日この頃。

そんなこんなで真剣に地図を眺めていると、未走破で面白そうな道を発見。それは、石岡市八郷地区(旧八郷町)と笠間市の境目である「道祖神峠」。さらに林道っぽい道を通って板敷峠へと抜ければおおよそ標高500メートル地点まで行く事ができそうです。

さっそく出発したのですが、しかし、道祖神峠〜板敷峠への道は工事中で通行できませんでした。そこで迂回ルートである「林道今泉阿国線」を通る事に。

道祖神峠〜林道今泉阿国線のルートはこちら

まずはスタート地点へ

いつものように、つくば市内から不動峠を越えて八郷へ。

茨城県フラワーパークを過ぎ、県道42号線との交点にあるセイコーマートを越え、アップダウンが複数ある通称「フルーツライン」を走る事しばし。ようやく本日のスタート地点に到着です。いきなりつづら折りの道&登り坂。

峠道の始まり

今日走る場所は阿国山の中腹あたり。紅葉が見事でした。(写真右の山)

トンネルを切望している模様

坂道の手前にある看板が気になって眺めてみました。すると・・・・

トンネル化要望の看板

「道祖神峠トンネル化早期実現」と書かれている看板でした。

要望を出しているのは笠間市とつくば市の団体でした。ご当地である石岡市(旧八郷町)の地名は見当たりませんでしたが。

動力のある自動車で行き来する人達が何故?と不思議に思ったのですが。ただ、真冬の時期にこの峠がどうなるか?を想像してみると、その願いもむべなるかな?と思いなおしました。雪の時は勿論、真冬の時季に雨が降って翌朝に路面が凍結したらどうなるか?想像に難くはありません。

そして同時に、この峠はそんなに楽な道のりではないんだろうなぁ〜、と覚悟。そんな事を考えつつ、何はともあれ出発です。

疲れたなぁ〜

峠越え&いくつものアップダウンで足は相当にお疲れ。とは言っても休む場所も見つからずに出発しました。当然ながら、足はへろへろ。本日の走行予定距離は90キロ強だった事もあり、坂道が始まると同時にフロントインナーへ。へろへろ、へろへろと登ります。

少し走ると道が平坦に&見事に色づいた阿国山を望む事ができ、そして何よりも自分が走っている道の情報を得られる場所があったので、自転車を停めました。

茨城県道42号線だった

県道42号線&紅葉した阿国山

そっか、ここは県道42号線だったのか。なにかと坂に縁のある道だよなぁ〜と思いつつ、阿国山の紅葉に見とれる事しばし。しかし、ここにも休憩ポイントがないので気を取り直して出発。すぐに坂の連続となりました。

道幅は十分にあり路面状態もよく、そんなに走りにくい道ではないと思います。フロントインナーを使っている時点で、少なくとも不動峠よりは急な坂かなぁ〜?と思っていたのですが。しかし勾配何%という表示もなく、「もしかして辛いのは自分の足が疲れているからか?実は不動峠の方が大変なのかな〜?」などと考えながら登ることしばし。

ひたすら山に登っているので、下界の様子も見えず。抜けるような青空と山の紅葉に励まされながらなんとか頑張って登っていきます。

と、まもなく道は平坦になり、ヘアピンカーブを二つ程こなすと「笠間市」の案内板が。

八郷と笠間の境界点

「えっ?もう道祖神峠に着いちゃったの?」

家に帰ってから地図を確認して納得。カーブの連続が始まる地点の標高がけっこうあった事、そして、やはり不動峠よりは傾斜が急だった事がわかりました。この地点の標高は300メートルを越えていますが、麓からの高低差はそれほどない事。そして坂が急だったために、高低差の割には走行距離が思ったより短かったという事なんですね。

道祖神峠はT字路になっています。県道42号線の八郷方面と笠間方面、そしてこれから進む林道です。

左八郷、右笠間、奥板敷峠

因みに写真の後方はすぐに行き止まりです。板敷峠方面の道の傍らには何やら石碑がありましたので確認。

林道北筑波稜線だった

北筑波稜線林道 竣工記念碑

以前にも林道北筑波稜線を走りました。その時は加波山から麓に降りた時点で林道は終わりと思っていたのです。しかしこの記念碑をみると、その麓から板敷峠へと登り、今いる地点までが林道だったんですね。

板敷峠へ出発〜って、あれ?

しばしの休憩と食料&水補給の後、いよいよ板敷峠へ出発。と、思ったら・・・・

板敷峠方面は工事通行止めの看板

まぁ、しょうがないね。林道にはありがちだから。

最初は来た道を戻ろうかな?と思ったんですが、せっかくここまで登ってきたのに引き返すのもくやしいし、それに迂回路もあるようだし、行けるとこまで行ってみようって事で、気をとりなおして出発しました。看板によれば「阿国山洗心館」のところで右に迂回すればよさそうです。そういえばここまで来る途中に何ヶ所か「阿国山洗心館」の案内があったなぁ。

やっぱり行けなかった

更にのぼるとすぐにT字路に出くわしました。左へと登って行けば板敷峠ですが、予告通り通行止め。まっすぐ進めばすぐに下りへ。

T字路

板敷峠方面は全面通行止

苦労してここまで登って来て、工事がなければ更に登れるのに、迂回路は下り・・・

と、1年前の自分だったらがっかりしたでしょうが、今の自分は「林道っていうのはそういうもの」とある程度の覚悟ができています。

そして真っ直ぐ進む道は手元の地図にもないわけです。「新たなる発見があったと思えば嬉しい誤算さ。何よりも工事の理由が路面の補修、つまり、工事が終わればもっと走りやすい道に変わっているのだから、この上なく有り難い事だと感謝しなければ」と再認識して、いよいよ予定もしていなかった未知なる道へ出発です。

林道今泉阿国線

未知なる道は「林道今泉阿国線」というものでした。

林道今泉阿国線の看板

すぐに急な下り&九十九折りの道になります。裏不動の下りのような感じでした。

九十九折りの急な坂

いかにも林道と言った感じの道が続きます。とくに眺望のよい場所があるわけでもなく、林道そのものです。

ただ、ちょっと変わっているのは、下りだけではなく、時折軽めの登りもある事です。下ってはアップダウン、また下ってはアップダウンを繰り返しつつ。阿国山を回り込むように全体としては下っていきます。

時折T字路が出現してどちらに進めばよいのか判断に迷いました。右へと下る道を行けばよいのか、はたまた登っていく道をひたすらまっすぐ行けばよいのか?峠から下って麓を目指しているのに、まっすぐ進むと登りがあるというのは、もしかして道を間違えたか?標高差を考えればそろそろ麓に着いていてもよいはず。なのに、まだまだその気配がないのは、下っているつもりでいつの間にか登りの道へと迷いこんだのではないか???

手元の地図にも道はなく、案内もない場所での決断。迷いに迷いましたが自分の経験と信念だけを元に、例えそれが登りの道であってもひたすらまっすぐに進みました。

「安易な下りの道を選んで、もし、それが間違いだったら後悔する。でも、仮にそれが間違いだったとしても、辛い登りの道を選んでいれば後悔は残らない」。

自分の気持ちだけを信じて、なかなか終わらない道をひたすら進みました。やがて、どうにかこうにか麓へ降りてくる事ができました。

どうにかゴール

民家が点在する一般道を下っていくと、県道64号線に出くわしました。右折してすぐの交差点を左折すればJR水戸線の羽黒駅方面。国道50号線を西へ行けばりんりんロードの起点である岩瀬まで行けます。

逆に左折して行けば、当初走る予定だった板敷峠への道へと行けます。

見覚えのある看板が

私が選んだ道は間違ってはいかなったのでした。

当初予定のコースを走れなかったのはやや残念ですが、しかし、その代わりに今まで経験がないような楽しい林道に出会う事ができました。v(^o^)

感想

今回の出発地点まで、自宅からは30キロ程。平地だったらなんて事ないんですが、不動峠を越え、アップダウンを繰り返しつつも徐々に登って行ったという条件もあって、今回は峠道スタート地点からお疲れ状態。勿論、そこからの峠越えは辛かった〜。

筋肉のダメージも相当なものだったようで、その後数日間はひたすら肉を食べていました。炭水化物と野菜と魚が大好きな私にはとても珍しい事なのですが、体が自然に「肉」を欲していました。

今改めて振り返ってみても、「無茶したな〜」という感は否めないのです。

ですが、思ってもいなかった新たなる林道との出会い。そしていつかは林道北筑波稜線完走してやるぞ〜との期待を込めつつ、「やっぱり行ってよかった〜」と思っています。(^o^)


庶民チャリダー

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