筑波山つつじヶ丘は、女体山山頂付近へのロープウェイの発着場があるところです。標高約500m程。
そこまでのルートは複数あります。たた、どのようなルートを選ぶにしても、風返し峠→つつじヶ丘は一本道です。したがって選択すべきはつつじヶ丘へどうやっていくか?という点になります。
もっともメジャーな道は路線バスも走っている茨城県道42号線経由。しかし、この道。道幅は狭い、大型バスが頻繁に通る、事故車のガラス等が路面左側に散乱、そしてなによりも体がまるごと入ってしまうような深い側溝(しかも蓋なし)があるわで、とてもじゃないけど走る気になりません。
そこで不動峠から表筑波スカイラインへと合流し、風返し峠からつつじヶ丘へと向かう事にしました。不動峠は傾斜のゆるやかな坂ばかり(※)ですし、表筑波スカイラインもそれほどの急勾配がないと分かりましたので。2009年4月11日、つつじヶ丘へ、いざ、出発!
※筆者注釈:私は最初の筑波山サイクリングがつくば道であったため、自転車を押す必要も足をつく必要もないこの道は「ゆるやかな坂」だと思っていました。実際のところ、筑波山周辺でこれよりも傾斜が緩やかな坂道は存じません。ただし、平均勾配6.8%とかなりの急坂ですのでご注意ください。
北条大池の桜
北条体育館でトイレ&鼻噛み&鼻の洗浄&目の洗浄休憩。杉花粉は治まりましたが、檜花粉が猛威を奮っています。鼻の粘膜を保護する薬を塗り、目のアレルギーを防ぐ目薬を塗り、マスクをして出発。
それにしても今日は暑い。予想最高気温は24℃と5月下旬並。上半身は半袖にして、汗をかかないようにと速度を落としてここまでの15キロを進んで来たつもりですが、マスクのせいもあって既に汗だく。できれば上下のトレーナーを脱いでインナーで走りたいくらいでした。
ほぼフラットな道を進むと、やがて「関東ふれあいの道」の道標。ここから傾斜が始まります。
道標
傾斜が始まるところ
この道は2回程下って来たことはありますが、登るのは今日が初めて。大勢のローディが何分で登れるか?を競っているようですが、勿論私には無縁な世界。そもそも私にとってのこの道は、風返し峠やつつじヶ丘へ行く道の単なる通過点にしか過ぎません。できるだけ体力を使わないようにゆっくり、ゆっくりと登りました。
ゆっくりゆっくりと登ったので、呼吸も乱れず心拍数も上がらず。そもそも、とんでもないと言った感じの急な坂は全くありません。しか〜し・・・
暑い、暑いぞ〜!家を出かける時の気温を元に長ズボンのトレーナーは失敗だった。気温も上がり、上り坂の連続。うっかり体温を上げてしまうとマスクの影響でメガネが曇ってしまいますし、それになんと言っても先が長い。無理は禁物。ひたすらゆっくりゆっくり登ります。
さてさて、そんな私を励ましてくれたのは、ウグイスの泣き声と、桜吹雪と、時折見える向かいの山の緑と桜色でした。これがあるから山登りは止められませんね〜。
それにしても似たような景色が続くので、今自分がどこを走っているのかさっぱりわかりません。残りあと1/3くらいかな〜?と思っていたら10%勾配の案内板が見えてきました。ほっ、あと少しで不動峠峠だぁ〜。
そのまま「あずまや」まで登り、汗が引くまで休憩。ここからチラッとだけ見える関東平野は、霞がかっていてよくわからない。う〜ん、春だなぁ。標高300m弱とはいえ、麓に比べると風が涼しくて気持ちよかった。
不動峠から風返し峠へは、標高差およそ100mをアップダウンを繰り返しながら登ります。やっぱりへろへろ、へろへろと登りました。風返し峠も通過点ですからね。無理は禁物。
スカイラインは標高が三百メートル以上ありますので、麓ではやや終息に近づいたソメイヨシノもちょうど満開。時折左右に広がる関東平野の眺めも相まって、これがなかなかの絶景でした。
スカイランの桜。奥は筑波山
風返し峠間近の子授け地蔵の駐車場で見事な桜を発見。ちょっと行きすぎたんだけどあわてて戻り、桜見物してきました。スカイラインの上は風を遮るものがないため、ちょうど満開の桜も早々と桜吹雪に。
子授け地蔵付近の桜
さて、ここから先、風返し峠へは結構な急勾配が続きます。これまで以上にへろへろと登ります。と、ようやく風返し峠です。
どこか休憩できる場所はないかな〜?と探していたら、湯袋峠へと向かう道にベンダーショップを発見。ドリンクを補給してベンチで休憩。ライダーの先客3人が休憩中。見ているとこの辺りでピストンしているライダーが大勢いました。どうやらこちらの道はライダーのメッカのようでした。
オートパーラー
以前は料金所があったところからつつじヶ丘へ登り始めます。この道は以前、有料道路で自転車と歩行者は通行ができませんでした。今では無料化されており、自転車の通行も可能です。
風返し峠の看板
ループ橋を渡った途端、急勾配。更に追い打ちをかけるように向かい風。ここまでくると風を遮るものがありませんからね〜。
ループ橋を下から臨む
ループ橋からの眺め(風返し橋)
勾配にはさ程驚かなかったけど(バスやら車では何度か登っているから)、さすがに向かい風は参りました。自転車乗りの天敵登り坂と、それ以上の難敵向かい風の最強タッグです。こいつは手ごわい。最後に来てボスキャラ上り坂とラスボス向かい風が一気に襲ってきました。
ゴールも間近だし、封印していた必殺技を使うのは今この時!と、禁断の秘技を使います。それは・・・「庶民チャリダー奥義!インナーの1速。とぅっ!」
やがて緩やかな勾配に変わりました。そこからはフロントセンターに変え、最後は立ち漕ぎ(ダンシングなどというかっちょいいものではない)で足を伸ばしつつ(←既に帰りの事を考えて守りに入っている)、ようやくゴールしました。
つつじヶ丘自体は単なる駐車場です。ここに車を止めてロープウェイで女体山山頂を目指す人、ここから歩いて山頂を目指す人達が車を停めておく場所です。土産物店もあります。
ロープウェイの発着場
昭和レトロの香り漂う土産物店
ガマの銅像
ロープウェイやら女体山(筑波山の最高峰)は何度か体験しているので、今回はパス。ここで周りを見渡しても沢山の車が見えるだけ。食事と休憩をして帰途へ。
北条大池から不動峠へと抜ける道は、傾斜が緩やかで登るのが楽でした(※)。今後、風返し峠方面へはこの道を通ろうっと。
さてさて、つつじヶ丘に登った感想ですが、実はそれほどの感動はありませんでした。以前、もっと高いところに登っているしね。
どちらかというと、「ああ、とうとう来ちゃったよ。これから先、どこへ登ればいいんだろう?」という寂しさの方が大きかったです。きっとこうなる事がわかっていたから、なんだかんだと理由をつけて登って来なかったんだろうね。
近くに筑波山より高い山はないかな〜?