久慈川巡りの旅&袋田の滝

地図を眺めていると・・・

私は子供の頃から地図を眺めるという趣味があります。もうひとつ、清流とか綺麗な海への憧れもあります。

そんな私がなんとはなしに地図を眺めていると次の点に気づきました。「国道118号線を常陸大宮あたりから下っていくと、久慈川の流れを堪能しながらのサイクリングができるではないか!」

そして大子(だいご)町でちょっと寄り道すれば、日本三大瀑布(と茨城県民が言っている)のひとつである、袋田の滝も見物できるではないですか!

それでは早速行ってみよう♪

データシート

対象者と自転車の種類
国道をひた走る&それなりのアップダウンがありますから、スポーツ自転車をお持ちで多少の坂道などは気にしない方。
アクセス方法
出発地点での食事やら補給を考えて一応常陸大宮からのルートをご案内しています。が、久慈川の流れだけをもっと楽しみたい方はもっと下った場所からでもよいですし、福島県側の駅からアクセスする方はもっと福島よりの駅という事で。各自ご判断ください。
ルート
http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=a338bf751bc3434b36a55b3a10e69b42
走行日
2013年8月17日(土)

久慈川

久慈川は我が茨城県の最高峰である八溝(やみぞ)山に源を発し、一度福島県川へ流れこんでから茨城県へと南下し、東海村と日立市との間の海へと流れる一級河川です。

初めてその河口付近を見た時に驚いたのは、川底がはっきりと見渡せるほどの透き通った川だという事でした。

河口付近でこれほど綺麗な川なのだとしたら、その上流の綺麗さはいかほどのものだろう?そんな好奇心から今回の自転車旅を思いついたのです。

今回のルートにおいて、国道118号線は久慈川に沿いながらその右岸や左岸を渡っていく格好になります。そんな川の景色を眺めながらの旅。清流好きの私にとってはたまらない旅となりそうです。

常陸大宮~大子町の南端

と、その前に。水戸市在住の私が何故起点として水戸駅をご紹介しなかったのかの理由をご説明します。それは「車の数も信号の数もそれなりにあり、交通量の割りには道幅も狭くおよそ自転車で走りやすい道とは思えない。かつ、これと言って見所があるわけでもなく。別にわざわざ走るような道ではないよなぁ~」と思ったからです。

実際のところ、以前、国道118号線経由で袋田の滝を目指した事があったのですが。なんとなく走る意欲が失せて常陸大宮駅あたりで引き換えしてきました。

私は今回も勿論水戸から自走ですが、常陸大宮駅付近までは敢えて遠回りをして来ました。そんなこんなで今回は常陸大宮駅からのご案内としています。が、勿論皆さんにとってお好みのルートで走ってくださいね。

常陸大宮から北上する事しばし。まだ久慈川の流れは見られませんし、これと言った景勝地もないのですが。

そんな中、「もしかするとこれからは眺めが一変するかもしれないかも?」と思って自転車を停めたのがこの場所です。なんと、トンネルがあったのです!

 トンネル

ここからは違う「国」なのか?

私は生まれも育ちも北海道は石狩平野であり、その後は関東平野に住んでます。

そんな身としては、トンネルは珍しいし、「トンネルをくぐると、その先はもう、違う国になっていたりして」、と、などと勝手に期待して、思わず自転車を停めて写真を取りました。

しかし実際にはトンネルはごく短いものであり、トンネルの手前もその先もどちらも常陸の国でした(当たり前)。ただ、自転車を停めたお陰ですぐ側を久慈川が流れている事に気づきました。

 久慈川。上流の方には山並みが見える。

 鮎釣りを楽しむ人々。

国こそ違ってはいないものの、風景はかなり違ってきました。少なくとも関東平野の面影はなくなっています。また、ここから先はいよいよ久慈川に沿って走る事になります。

山が近くに見えるようになってきた

ここから大子町

大子町南端~袋田の滝

久慈川沿いをひた走る

国道118号線はいくつもの橋を渡りながら、久慈川の右岸と左岸を行き来するようになります。

幸いな事にほとんどの橋には自転車走行可能な歩道があるか、あるいは、歩行者・自転車専用の橋が設けられており、じっくりと川を眺める事ができます。

川底がはっきりと見える程の清流

いかにも山間と言った景色

水郡線の鉄橋

歩行者・自転車専用の橋

勿論、国道を走っている最中にも清流の景色を堪能する事はできますよ。ただ、車道で自転車停めるわけにもいかないので、写真は全て橋の上からとなっています。

意外と堪えたアップダウン

国道は久慈川沿いに設けられていますから、全体の斜度としては3%程度と大したことはありません。しかし局所的にみると、標高の低い橋とより標高の高い山肌を行き来するアップダウンを繰り返すわけですから、そのダメージはジワリ、ジワリと効いてきました。

いわゆる急坂・激坂の類はありませんが、距離があるだけにこれが結構キツかったです。

ただ、幸か不幸かあまりの暑さと湿気のせいで、水分補給するために頻繁にコンビニに立ち寄ったため、自然と休憩時間も多くなりました。

そして何よりも久慈川の清らかな流れと、走る程に近づいてくる山並の景色が私に走る気力を与えてくれました。

袋田の滝

そうこうしているうちにどうにか袋田の滝近くまでたどり着きました。滝の手前からは時間制限付きの車両通行止め(軽車輌は除く)になり、以降は自転車を押して進みます。

土産物店などが立ち並ぶ

さて困ったぞ!

それにしても一向に滝の気配が感じられないなぁ、と思っていると。

なんと、袋田の滝はそこいらへんから適当に眺める事はできず、お金を払って展望台の中に入らないと見られないのでした。しかも、展望台(正しくは観瀑台というようです)へは自転車の持ち込みはできないのです。辺りには駐輪場もなく。

これには困りました。

「この自転車は私の相棒、言わばペットのようなものです。だから一緒に入らせて、というのは通用しないよなぁ。。。」

「自転車を輪行袋にしまって、駐車代金払うから置かせて、と交渉するのが現実的なあ。」

などと思案していると、近くのお店の方が駐車場の開いているスペースを使っていいよ」と声をかけてくれました。有難くお言葉に甘える事にして、いよいよ観瀑台の中へ。

見よ、これが袋だの滝だ!

観瀑台の中では主に3つの鑑賞ポイントがあるようです。第一観瀑台、そこからエレベーターで90m昇った第二観瀑台、そして吊り橋です。

まずは第一観瀑台へ。あまりのスケールに圧倒されました。

袋田の滝-1 第一観瀑台から上の方を撮影

普通のデジカメではとても全容を写真に納める事ができない程の高さと幅がありました。

次は第二観瀑台からの眺め。

袋田の滝 第二観瀑台

ご覧のように滝が段々になっている事に加え、落差がかなりある事から、滝の全容をいっきに眺めるのは無理のようです。また、滝が落ちてくる地点は第二観瀑台よりも上にあるため、その様子もわかりません。

それにしても惜しい。スケールが大きすぎて全容が眺められないて。特に滝の上の方が眺められないのは残念。第二観瀑台がもっと高いところにあったらなぁ。。。

生瀬の滝

ちょっと残念ではありましたが、ひと通り眺めたし、後は吊り橋というところからの眺めを堪能してここを出ることに決めました。

吊り橋を渡るとそこはまた絶景でした。大きな岩がゴロゴロとしているのです。こういう景色は生まれてはじめてみたなぁ。

 滝川に横たわる大きな岩の数々

そのまま歩いて行くと、ある案内板が目に入りました。急な階段を約20分登ると、袋田の滝よりも上にある生瀬(なませ)の滝が覧られるというのです。

走行と暑さでバテバテの体で、急な階段を20分かぁ。。。。しばし躊躇していると、私の中の悪魔が囁き始めました。

「あれっ?さっきもっと高いところから眺めたいと思ったよね?間違いなく、そう思ったよね?」

ムムム、確かにそう思いました。そんなわけで急な階段をゆっくりゆっくりと登り始めます。すぐに息が上がるので何度も何度も休憩しながら登ることしばし。ようやく生瀬の滝が見える展望場所へと到達しました。

 生瀬の滝

袋田の滝よりも上に滝があるなんて知らなかった~。私はいつも旅は行き当たりばったりなのですが、予備知識がない分新たな発見やら感動があっていいですね。

帰りの途中で袋田の滝の上の方も垣間見えました。

 袋田の滝の上の方

ひと通り満足した私は観瀑台を後にし、今日の最終目的地「常陸大子駅」を目指すことにします。

袋田の滝~常陸大子

常陸大子駅を目的地にした理由は二つあります。どうやら常陸大子駅が街の中心地のようだから、食事をしたり休憩する場所があるだろうという目論見がひとつ。そしてもうひとつは常陸大子駅が水戸方面や郡山方面の起点・終点になっている列車が多いからです。

袋田の温泉街を羨ましそうに眺めながら(本当は泊まりたかったんだよ。でも、お盆のこの時季はさすがにどこもかしこも満室で無理でした)、ひた走ります。途中、歩道があったので最後の久慈川鑑賞をしました。

久慈川 袋田駅~常陸大子間の久慈川

途中で偶然みつけた「道の駅 奥久慈大子」の温泉で汗を流し、どうやら大子町の特産品と思われる(のぼりがあちこちにあったから)軍鶏料理を「だいこん」さんで堪能。

自転車を輪行袋にしまって水戸市内の自宅へと帰りました。

感想など

久慈川はやっぱり素晴らしかった

清流好きでそれが故に今回の旅を決意した私としては、やっぱり久慈川の清らかさにただただ感心するばかりでした。それが証拠に、あちこちで鮎釣りをする大勢の太公望さんたちも見かけましたし。

袋田の滝は圧巻だった

滝と言えば、例えば国内では日光華厳の滝とか那智の滝みたいな高いところから一直線で流れ落ちるものを想像していたのですが。しかし、よい意味で裏切られました。

ひと目では全容を拝めないほどの高低差とその川幅。こういった滝は国内では見たことがなかったです。

それと後から聞いた話ですが、紅葉の時期は勿論の事として、厳冬期に滝が凍るのも見所の一つなのだとか。是非、それぞれの季節毎に訪れてみたいと思いました。


庶民チャリダー

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