私は生まれてこの方、ず〜っと内陸寄りに住んでいました。ですから海はいつでもあこがれの存在。例えば車窓から海が見えたりすると、いつまでもいつまでも見続けている程です。しかし残念ながら茨城県つくば市近辺には海がありません。
関東地方では既に梅雨明けしており、どこか海へ行きたいところ。そこで、以前パンクで断念してしまった、印旛沼から新川→花見川を通り、東京湾にある検見川浜を目指すコースに再チャレンジする事にしました。ここはけして大規模自転車道ではなく、詳しい情報はありませんが、ただ、地図には新川遊歩道(サイクリングコース)、花見川サイクリングコースと記載されており、問題なく走れそうです。
では、東京湾は検見川浜まで行ってみよう。目指せ、海!目指せ、東京湾!
今回の出発点は西印旛沼の西端にある、印旛沼自転車道の起点側。つくば→利根川沿いの印旛沼自転車道の終点→印旛沼沿いをひた走ります。起点近くになって「一級河川印旛沼放水路」という文字を発見。これが新川・花見川の正式名称のようです。と、ここで疑問。「何故同じ川なのに、途中で名前が変わるのか?」
そんな事を考えていると、ようやく今日の出発点に辿り着きました。
印旛沼自転車道の起点
ここから道路を渡ると新川サイクリングロードの出発点です。
道路を渡ると新川サイクリングコース
道に沿ってちょっとだけ迂回をしながら走ると、すぐに新川沿い左岸(海に向かって左側)に遊歩道が出現します。
新川遊歩道
ここはあくまでも遊歩道。あまり広くない道幅を、歩行者、犬の散歩、自転車が行き来します。舗装の状態もあまりよくなく、速度を落として慎重に走ります。程なく、道の駅八千代に到着しました。前回はここでパンクに気づき、海行きは断念してしまったのですね〜。
道の駅八千代にある「八千代ふるさとステーション」
ここで水分補給とトイレ休憩を済ませ、そしてパンクしていない事を確認して(笑)出発です。
道の駅八千代を過ぎると途端に道幅が広がり、また、舗装の状態も格段によくなりました。まるで大規模自転車道のようです。残念ながらこの立派な区間は少しの間で終わってしまいますが、快適な走行ができました。
暫く走ると対岸(右岸)になにやら公園のようなものと、そこへ至る橋を発見。橋を渡って確認すると「八千代総合運動公園」でした。トイレがあります。
八千代総合運動公園
再び左岸に戻って走ることしばし。水門が見えてきました。水資源機構の大和田排水機場です。
大和田排水機場
そのまま進むと川沿いを少し離れ、一般の住宅・水資源機構脇の狭い道を通り、再び川沿いへと戻ります。やがて大和橋に到着。
大和橋を横断して先を見やると、砂利道になっていました。しかも、その先にある鉄道(京成線)を渡る道がありません。大和橋を渡り対岸(右岸)へと移動します。
大和橋から先は行き止まり
大和橋を渡る
右岸の道は一般道。狭かったこれまでの遊歩道に比べると快適に走れます。このまんま右岸を走ろうかなぁ〜と思っていたのもつかの間。弁天橋を横断したところに、この先行き止まりの看板が。
この先行き止まり
弁天橋を渡って左岸へと戻ります。
弁天橋
橋の中央付近、歩道から川面を眺めると、そこは静かな渓谷の趣。これから先のコースに期待がかかります。
弁天橋からの眺め
弁天橋から先は下り基調になり、ダート・砂利道が続きます。手元の地図で確認すると、いつの間にか新川サイクリングロードから花見川サイクリングコースへと変わっていました。
花見川サイクリングコース
道に覆いかぶさるように生えている木々の枝が日の光を遮ってくれるお蔭で、真夏なのに涼しいと感じるくらいです。そんな涼しく静かな渓谷の中に、時折ウグイスの声が木霊します。
ここが政令指定都市千葉市花見川区の中にあるという事が、にわかには信じられないような気分でした。
ここを行き交う自転車は、シティサイクル、数台のクロスバイク、そしてMTB。ダートや砂利道続きとあって、さすがにロード車の姿は見かけません。
花見川を右手に見ながら、ゆっくりゆっくりと下って行きます。そしてそれはだんだんと海が近づいて来た証しでもあります。海まであともう少し。
渓谷の中を流れる花見川
やがて花島橋に到着しました。
写真左の車道をみると結構な坂道。ここまで平地ばかりで飽きていたので、つい嬉しくなってこちらへ進もうと思いました。しかし、土地勘もない場所で迷ってしまっては時間の無駄、と自分に言い聞かせて写真中央の車止めの先へと進みます。(実は車道を進んでもサイクリングコースに合流すると帰り道に分かりました。ちょっと残念)。
花島橋(右)
未舗装路はここで終わり。サイクリングロードを進みますと、すぐにトイレ・水道のある休憩所があります。案内板を見ると「花島公園」と書かれていました。後程地図で確認すると花島公園は橋を渡った対岸にあるのですが、恐らくこちら側も花島公園の一部なのでしょう。数人のライダーが休憩していました。
CR脇にある公園
ここからは河口を目指してひた走ります。次第に道幅も広がり、走りやすい道になってきました。同時に傾斜もなくなり、だんだんとゴールが近づいて来た事を感じます。
道幅が広がってきたCR
やがてサイクリングコースはのどかな風景に別れを告げ、都市部の中を走るようになりました。いよいよゴールが近づいて来た事を実感します。
信号待ちも
いくつかの鉄道や湾岸線の下をくぐると、やがて見慣れたものが見えてきました。幕張の高層ビル群です。
写真中央はツインのマリブタワー
ゴールまでもうすぐそこです。早く海がみたい!自然にペダルを漕ぐ速度が上がってしまいます。でも、自転車も歩行者も多いので慎重にと自分に言い聞かせ、注意を払いながらゴールを目指します。
そしてとうとう検見川浜に辿りつきました。
検見川浜
夏と言えば海。海と言えば夏。でも、昨年の夏は休みもほとんどなく。夏の海は2年ぶりです。しかも、一昨年の夏の海はなんでもいいから簡単に行ける場所という気持ちで行ったお台場の海でした。コンクリートに覆われた灰色の海・・・
でも今年の海は違う。東京湾の埋め立て地とは言えど、写真でおわかりのように砂浜があります。少し離れた稲毛海岸では海水浴を楽しむ人もいます。
そして何よりも自分の力だけで辿りついた海。嬉しくて嬉しくて、思わずガッツポーズをしてしまいました。
思わずガッツポーズ
よーし、俺にも夏が来たぞ〜!!!
距離計を見るとおよそ92キロ。つくばから最短コースで新川までくる予定でしたが、途中で道を間違えて、再び印旛沼自転車道を走る羽目になっちゃいました。もし、道に迷わなければ80キロコースかなぁ〜?思っていたよりは近いですね〜。
ベンチに自転車を立てかけて休憩。先客のフォールディング(折り畳み)バイク乗りに挨拶して、いろいろおしゃべり。聞けば地元の千葉市在住。主に県内を走っているそうです。
スポーツ系のフォールディングバイクを間近で見るのは初めて。タイヤをよく見てみると、スポークの数が異様に少なくてスカスカ。ロード車と同程度です。これはひょっとすると、カッ飛びフォールディングバイクなのでは?と直感。
興味津々で「こういうフォールディングバイクって、時速25キロ位を維持しつつ涼しい顔で走っている人をよく見ますが、どの位の速度が出るんですか?」
「うーん、時速30キロから、最高で40キロくらいかな〜?」
ひぇぇぇ・・・驚きました。どうみても70歳は越えている方のお言葉なんですよ。私も平地&無風で最高40キロを越えた事はありますが、ただし、ほんの一瞬です。時速30キロ維持なんて5分も持ちません。
バイクの性能云々で速く走れるなんてこれっぽっちも思っていませんが、ただ、平地の速度にだけ注目すると、これまでの経験から判断するに、ロード>フォールディングバイク>クロスやMTB>シティサイクルって構図なのかな〜?なんて、改めて思ってしまいました。(但し、時速27キロ維持でカッ飛ぶママチャリもたくさんみかけていますから、基本は走力だという持論に変わりはありませんが)
この文書の最初の方で、同じ川なのになぜ新川、花見川と名前が変わるのだろうか?、と、疑問を投げかけていました。でも、このフォールディングバイク乗りの何気ない一言で謎は一気に解決しました。それは・・・
かつては花見川は東京湾へと注ぐ川。一方、新川は印旛沼を通って利根川→太平洋へと注ぐ川。それぞれは別々の川であり、かつ、両方の中間地点は分水嶺だったのだそうです。
一方は新川という太平洋にに注ぐ川。そして他方は東京湾へと注ぐ花見川。かつては別々の川だったのが、おそらくは洪水対策などの理由でひとつの川にされてしまったのでしょうね。
だから(今では)同じ川なのに、途中で名前が変わるのですね〜。納得♪
それと、検見川浜からほど近い稲毛海岸ではプールやら海水浴場らしきものがある事も教えてもらいました。すぐ近くだから行ってみるといいよとのアドバイス。やはり地元の方の情報はありがたいですね〜。
というわけで水着ギャルを見物東京湾にある浜を見学するために、稲毛海岸をブラブラと走ってきました。いやぁ〜、目の保養になりますね〜緑豊かでよいところですね〜。
大規模自転車道である印旛沼自転車道を完走。一方、ついでに走ってみようと思った程度で、何ら情報のない新川サイクリングコースと花見川サイクリングコース。
どちらもそれぞれに趣がありました。そして、改めて思った事があります。それは・・・
千葉県って、本当に自然を大切にしているなぁ〜って事です。印旛沼から新川・花見川は緑の豊かなサイクリングコースでした。これまでに走ったサイクリングコース同様に。検見川浜一帯は東京からさほどの距離もなく、かつ、政令指定都市にありながら、渡り鳥の飛来地にもなっているそうです。
これからもまだまだ走りますよ、千葉県。きっと、素晴らしい景色と出会いがあると思うから。
それにしても・・・・千葉県に住んでいる時に自転車に出会えればな〜。なんでつくば市民になってからこんなにも千葉県に詳しくなるのだろうか。。。