利根運河&江戸川サイクリングロード

以前、あけぼの山農業公園を訪れた時に気になっていた事があります。新利根大橋を渡る途中で、利根川上流方向へとサイクリングロードが通っていたのです。更に、手賀沼サイクリングロードの一部開通区間に利根運河南側がある事を確認しました。

利根運河は、利根川と江戸川とを結ぶ運河です。もう四半世紀以上も前に何かの書物で読んだ記憶で申し訳ないですが、その目的は水運、特に銚子の醤油を東京へ運ぶための、言わば醤油の道であったと記憶しています。

利根運河の地図

ただ、私が学生の頃には勿論水運という目的は役目を終えていました。少なくとも当時の私にとっての利根運河は過去の歴史でしかなく、ただそこには悠久の時が流れているようでした。

利根川から手賀沼サイクリングロードまでがどうなっているか分かりませんが、ま、なにはともあれ行ってみよう!

柏市サイクリング道路

今日も新利根大橋を渡って千葉県へ。下流側はすぐに舗装が途絶えて砂利道になりますが、上流方向は舗装されています。

走り出すとすぐに「柏市サイクリング道路」の案内板がありました。そうかぁ、勝手に利根川サイクリングロードなんて思いこんでいたけど、実際には自治体ごとに整備する(あるいはしない)ものなんですね。

柏市サイクリング道路

と、写真撮影していると「クェー、クェー」と聞き覚えのある鳴き声が。そちらの方を見やるとキジでした。なぜ聞き覚えがあるかと言いますと、今年のGWの頃、近所の畑に住み着いていたからです。お蔭で毎朝6時前に、鳴き声で起こされました。(^_^;

キジってとても興味深い鳥なんですよ。そう〜っと近づくと、まずは草の陰に隠れます。更に近づくと、走って逃げます。飛ぶのは苦手みたいですね。でもそんなに用心深いくせに、自ら「クェー、クェー」と大きな声で鳴いて自分の存在をアピールします。隠れたいのか目立ちたいのか・・・(^_^; 「キジも鳴かずば撃たれまいに」って、ああ、こういう事なんだね〜って実感しちゃいました。(^O^) 因みに日本の国鳥はキジです。

キジ(近所の畑で撮影)

そんなのどかな景色を見ながらサイクリングロードをひた走ります。すると、別の場所でも「クェー、クェー」。また別の場所でも「クェー、クェー」。計、5ヶ所でキジの鳴き声を確認しました。あ〜、のどかだね〜♪

のどかな柏田中の風景

ところで、利根川沿いから運河へ移動するべき場所はどこかな?まぁ、運河だから水門があるだろうし、きっと分かるよね〜。と、いつものように適当に走って行きます。するとTX(つくばエキスプレス)の鉄橋と常磐自動車道(高速道路)の橋が見えてきました。

手前TX鉄橋、奥常磐自動車道

利根川を渡る区間は、TXの速さを最も実感できる場所です。時速100キロで走る常磐自動車道上の車を、TXは時速130キロで追い抜いて行きますからね。いつもはこれらの橋の上を走っているのですが、それを下側から見るというのはなんとも不思議な気持ちでした。

利根運河南岸

そろそろ利根運河のはず、と思っていると水門を発見。ここで運河沿いに利根川のコースを外れればよいわけです。分岐点を探していると、柏市サイクリング道路は利根川を外れ、利根運河の南岸に沿うように続いています。利根運河の分岐点を見逃さないようにと、ちょっと緊張していたのですが、その心配は無用でした。

利根運河水門

まずは水門を撮影。対岸にあずまやがありましたので、休憩することに。今日はつくばを出発してから一度も座ってません。ここからが今日の本題ですから、ストレッチをし、水分を補給して、しばらく休むことにしました。

ぼ〜っと眺めていると、南岸を実に多くのスポーツバイクが通過するのに対して、運河の北岸はダート(少なくともこの地点では)なせいか、ママチャリとランドナーが一台ずつ通過しただけ。どうやら南岸を走った方がよさそうです。

十分休憩を取った後、南岸を江戸川へ向けて出発。走り出すとものすごく狭い道でした。ご主人と一緒にお散歩中のワンちゃんが右へ行ったり左へ行ったりで、抜かせないです(^o^)。そろそろ〜っと走っていますと、この細い道もわずかな区間で、すぐに道幅が広がります。

水門近くの細い道

まもなく江戸川から7Kmの距離表示を確認。江戸川までの距離ってそんなに短いんだぁ、とちょっと驚きです。市立柏高校(吹奏楽の名門)を通りすぎ、緑に囲まれたサイクリングロードをゆっくりと走ります。

江戸川から5キロ付近にある休憩所

手賀沼サイクリングロード

やがて大きな橋が見えてきました。国道16号線です。ここから先は手賀沼サイクリングロードになりますから、柏市サイクリング道路はここで終わりですね。

こちらも柏市サイクリング道路と同じように、緑に覆われて静かなサイクリングロードです。けして人里離れた場所ではないのですが、たくさんの木々がすぐ近くにあるはずの建物の存在を忘れさせてくれているのでしょうね。

そんな変わらぬ景色に見とれながら走り続ける事しばし。やがて柏市から流山市へと移動している事が分かりました。と言っても別に境界線があったワケではありません。懐かしいものを確認したからです。そして同時に見慣れないものも発見しました。

懐かしいものとは、運河を渡る東武線の鉄橋です。そして見慣れないものは、その手前(進行方向から見て)にある橋です。見慣れない橋は歩道でした。

歩道の橋。奥に東武線の鉄橋あり

運河水辺公園

さて東武鉄道の鉄橋やら県道の橋の下をくぐると、道はそのまま低い位置を続け、運河のすぐ側を走るようになりました。地図で確認すると、ここは運河水辺公園。数組の家族連れがいました。

そういえば、運河の水をこんなに間近に見たのは初めてです。底の方まで透けて見る事ができ、見た目に関しては思いの他綺麗でした。

運河水辺公園の浮き橋

下りがあれば上りがあるのが世の中の摂理。やがて運河沿いの平坦な道もゆるやかな上りの道へと変化します。坂を上りきってちょっと走ると、サイクリングロードから外れて公園らしき方向へと分岐する道を発見。

サイクリングロード脇の細い道(左側)

取手市のコンビニで拝借したのを最後に、ここまで全くトイレに出くわしていません。藁にもすがる思いで脇道に進んでみました。

におどり公園

天の助け(笑)。公衆トイレがあり、早速利用させていただきました。トイレも済んで確認してみると、「におどり公園」という場所でした。

におどり公園の案内板

公園の中にはベンチもあり、ここで昼食にする事にしました。お昼のお弁当にと、取手市内のコンビニでおにぎりやらお茶やらを購入していたのです。経験上、川沿いのサイクリングロードで食料調達するのは困難だろうと予測していましたからね。

におどり公園

ベンチに自転車を停めて食事をしていると、お孫さんらしき赤ちゃんを抱いた年配の男性が話かけてきました。「健康的でいいですね。今日はどちらから?」

つくばから走って来た旨を告げると、やはりと言いますか、かな〜り驚いていました。その後、その方の奥様と思われる女性が「凄いですね〜」と声をかけてくれます。気持ちはよく分かりますね〜。自分も1年前に同じ事している人を見たら、きっと同じように驚いた事でしょうから。

トイレと食事と休憩をとって、再び出発です。

江戸川

手賀沼サイクリングロードに戻り、江戸川を目指していると、すぐにゴール地点に到着しました。

利根運河(左)と江戸川(右)の合流地点

なんと言うか、あっけなくゴールしたなぁという感じです。まぁ、考えてみれば当たり前の話で、何しろ利根運河の長さは8.5キロしかありませんからね。

ゴール地点にあった利根運河公園でしばしの休憩です。私以外にもローディとフォールディングバイク(Birdy-1)の人が休んでいました。

運河河口公園

さてさて、今日の予定はこのまま来た道を引き返す事になっていたのですが、しかし、とっても魅力的なものを見つけてしまいました。それは、江戸川沿いにあるサイクリングロードらしき道です。地図で確認すると、松戸野田関宿自転車道となっていました。いわゆる江戸川サイクリングロードですね。

今日は利根運河沿いを走る事で頭がいっぱいでしたし、ここで引き返すつもりでした。しかし、なんだかとっても走りやすそうなサイクリングロードが目の前に。地図で調べるとちょっと上流にある橋を渡れば埼玉県にも行ける。更に江戸川は利根川の分流→上流へと遡って行けば利根川に合流する→分流地点を見てみたい。ごくり・・・

ただ、このまま引き返したとしても走行距離はほぼ100キロになるくらい走ってきました。ここで寄り道なんてしてしまうと、大幅に予定距離を越えてしまいます。うーん、どうしよう・・・・

ん〜、まずは埼玉県へ行ってみよう♪江戸川の橋を渡ってすぐに戻ってくれば、距離としては誤差の範囲内だしね。

江戸川サイクリングロード

江戸川CR

江戸川CRの千葉県側を少し走ると、まもなく橋を発見。その橋を渡ると、埼玉県吉川市という場所でした。

初めまして、埼玉県

ここから吉川市

埼玉県側を眺めると、千葉県との明らかな違いに驚きです。千葉県側は緑の中に建物がちらほら見えると言った感じでしたが、埼玉県は建物がひたすら広がっているという感じ。

埼玉県吉川市の風景

江戸川を越えただけなのに、これ程までの景色の差。やっぱり県が違えば国が違うんですね。

さて、自転車での埼玉初上陸に満足した私は、ここから先、どうやって家に帰るのかを考えました。が、ここまで来ちゃったからには、やっぱり江戸川と利根川の分流地点を確認しなければならないかなぁ?という方向に心が動いてきます。

それじゃ、言っちゃえ〜!

というわけで、江戸川サイクリングロードを遡って利根川との分流地点を目指す事にしました。で、埼玉側と千葉県側のどちらを走るかという命題がありますが、答えは瞬時に「千葉県」。だって、千葉県の方が緑が多いからね。

利根川を目指して

本当に走りやすいですね、この道は。

まず、舗装の状態がよいです。舗装がガタガタだったり砂利やらガラスやらが散乱しているつくば近辺の道とは雲泥の差。

そして橋と橋との距離がかなりありました。県を跨ぐ橋というのはそう簡単には出来ないんでしょうね。

そんなこんなで軽快に飛ばせました。実際のところ、ローディと何度もすれ違いました。路面状態が悪い道はローディは敬遠しがちですからね。

飛行場やら乗馬!?を楽しむ人やらを眺めながら、利根川を目指してひた走ります。

軽飛行場

川沿いで乗馬を嗜む方

路面も眺めもよく一時停止の必要も最小限で済むこのCRは、走ることに関しては言う事はありません。しかしながら、休憩施設、特にトイレがないのが難点ですね。川沿いにトイレやら水のある公園があれば言うことがないのですが・・・

まぁ、川沿いのCRというのは河川管理の為の道路を自転車やら歩行者やらが通行させてもらっているという構図ですから、それは仕方ありませんね。

利根川との分流点を目指してひた走る事しばし。やがて、海から50キロの標識がありました。ということは、往復100キロ走れば東京湾へ行って帰ってこられるわけです。いいな〜、海からの距離がちょうどよい塩梅。こんなところに住みたいな〜。なんて思ったのですが・・・ここだとヒルクライムする場所に行くのが大変だと気づいて思い直しました(爆)。

海から50キロの標識

と、そんな呑気な事を考えながら走っていますと、遠くにお城のようなものが見えました。お城→もしかして何かの博物館か?と勝手な想像をしながら、お城を目指してひた走ります。

当初は利根川と江戸川の分流地点を目指して走っていたハズなのですが、興味を引かれる物を見ると神経はそちらに集中。実は私はお城や博物館に結構興味があるんですね。

関宿城博物館

やがてお城に到着。お城はCR沿いにありました。お城の正体は、関宿城博物館でした。

関宿城博物館

建物の外に駐輪場やトイレ、ベンチ、自販機や売店がありますから、休憩するにはもってこいの場所ですね。やはり何人ものライダーが立ち寄っていきます。

さて、博物館自体に興味がある私は入館料200円を払って見物です。洪水との闘いや治水の歴史や技術に関するものが主たるテーマです。展示内容についてはWebサイトで。

4階の展望室へ登ってみると、利根川と江戸川の分流地点が見えました。すぐ側まで行くのはちょっと無理のようですね。でも、肉眼で見る事ができましたから、満足です。

分流地点

そして利根川へ

サイクリングロードに戻って走るとすぐに大きくカーブしていきました。やがて気がつくと利根川沿いを走っていました。

利根川沿いのサイクリングロード

ようやく今日の(おまけの)ゴール地点です。ここから先は地図を頼りに一般道を走って帰宅しました。

感想

懐かしい運河沿いを走ってみようというのが今回のポタリングの趣旨でしたが、それ以外にも江戸川や利根川、それに関宿城博物館と、自分が予定していた以上に楽しめた旅でした。

江戸川を下れば海に行ける、帰り道に利根川の茨城県側にもCRらしきものを確認。また楽しみが増えました。


庶民チャリダー

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