支笏湖ぶらり旅(その1)

支笏湖をご存知ですか?

皆さん、支笏湖をご存知ですか?

支笏湖は北海道千歳市にある湖であり、支笏洞爺国立公園の中にあります。とは言え、全国的なネームバリューはイマイチではないのかな~?なんて、道産子の私も思っています。

No.1にならなくっちゃ・・・・

「支笏洞爺国立公園」の名前の由来である一方の雄、洞爺湖。洞爺湖サミットが開催された事から全国区の観光地かと思います。温泉街やら近くには有珠山(度々噴火する事で全国的に有名)や昭和新山(火山ができる様子が記録されていたという点において世界的にも有名)があり、洞爺湖サミットは別としても道内では以前からかなり有名な存在。

一方、もう一方の雄である支笏湖。あくまでも個人の感想ながら、洞爺湖ほどのネームバリューはないのかなぁ?と思います。

実際のところ、私は洞爺湖は小学校の修学旅行で訪れましたが、支笏湖は大人になってから。その理由も北海道の最大の玄関口である新千歳空港からほど近いから(同じ千歳市内だし)というだけの事でした。飛行機便の時間調整のついでに立ち寄った程度しか訪れた理由はありませんでした。

しかし私は初めてここを訪れて以降、洞爺湖よりもとっても興味を惹かれる存在になったのです。

最大の理由は水の綺麗さ。湖岸に立ってちょっと眺めてみると湖の底まではっきりと分かる透明度の高さ。透明度では摩周湖の方が国内的にも圧倒的に有名ですが、しかし、摩周湖はそれを取り囲む山の方から見下ろすだけであり、湖岸に降りてその透明さを実感する事ができないのです。一方、支笏湖の方は湖岸でその透明度を実感できます。

そしてなによりも北海道の他の国立公園と比較してみると所謂俗化されていない。言い換えると、国立公園が国立公園たる本来の資質=大自然を間近に観られるという点でした。だが、しかし・・・・

色んな意味で「No.2」の湖なんです・・・

支笏湖は国内とか道内とかの比較で言えば、なにかとNo.2が多い湖なんですね。

透明度
国内では(そして道内でも)摩周湖に次いで2番目に透明度の高い湖です。
最大水深
国内では田沢湖に次いで2番目に最大水深が深い湖です。
面積
道内ではサロマ湖(国内3番目に広い)に次いで2番目に面積が大きい湖です。
水量
国内では琵琶湖に次いで2番目の水量を誇ります。

では一番がないのかと言いますとそんな事はありません。国内では一番北にある不凍湖なんですね。とは言っても寒くて雪深い湖をわざわざ訪れる人は少ないですし・・・

やっぱりね、どの世界もそうだと思うのですが。「No.1にならなくっちゃダメ」ですね。No.2以下は所詮「その他大勢でしかない」という事を痛感しました。

データベース

対象自転車と人:苫小牧~樽前山~支笏湖
スポーツ系自転車に乗っていて坂道・山道が好きな方
対象自転車と人:千歳市から支笏湖まで往復限定ルート
健脚な方だったらシティサイクルでもOK(実際に何人か見ましたし)
走行日
2012年8月19日(日曜日)
ルート
苫小牧駅 ~ 樽前山 ~ 支笏湖

※単に支笏湖へ向かうだけでしたら勿論国道276号線沿いになります。今回は苫小牧を出発して、同じ道を通らずにグルっと一周するという目的もあったためこのようなルート取りになりました。

苫小牧駅 ~ 樽前山 ~ 支笏湖畔

前日に引き続き、今日も苫小牧駅近のビジネスホテルから出発。ここは朝ごはんのパンは食べ放題なため、これでもかっ!というくらいに&普段のサイクル生活ではあり得ない「お腹いっぱい」になるまでパンをご馳走になりました。お腹が苦しくなるまで食べるというのは自転車乗りにとってはマイナス要素しかありませんから、普段はそんな事はしないのですが。

しかし今日はヒルクライムコース。途中でお腹が減ったら食堂なりコンビニで食料補給とはいきません。そんなワケで「戦略的にお腹を満たして」&苫小牧市内のコンビニで補給食と水を余裕を持って補充しながらの出発となりました。

国道36号線から道道141号線へ

国道36号線を外れて道道(※)141号線へ向かいました。

道道141号線

※)「初めて道道という単語を見た時には意味が分からなかった」という話を本州人から聞きましたので補足します。例えば東京都が管理する道路は「都道」、県が管理する道路は「県道」。同様に道(北海道)が管理するから「道道」です。だから道々という表現はしません。

写真では分かりにくくて恐縮ですが、海岸沿いを走る国道36号線(海抜0メートル)から、最大標高460mまでの登り基調のコースです。

とは言え。例えば筑波山のように「最も登りやすいコースは北条地区から不動峠までのコースであり。それは平均勾配7%弱を延々と4Kmもの間登りしかなく、見通しも悪く&道幅が狭い上に休憩ポイントが一箇所もないもない」と言ったような、所謂「初心者お断り」なコースとは縁遠いものでした。

緩やかな登り基調が続いて時折ちょっと急な坂がありますが。坂を登りきれば平坦な道が続くと言った具合。写真でご覧の通りの十分な道幅。加えて最近整備されたと見えて路面の状態も良く。

更にお盆の時季も終わっている事もあり、日曜日とは言え車の数はまばらでした。そんなこんなで、自転車で走るのには理想的なコースと思いました。

でもやっぱりお腹はすく & 北海道でも自転車ブームなのか?

ホテルでお腹が苦しくなるくらいにパンを頂いて。そしてほぼフラットな国道36号線から道道141号線にそれていく手前のコンビニでおにぎりを立ち食いしました。また、普段は滅多に飲まないスポーツ系ドリンク500mlも飲み干しました(因みに角砂糖6個分ものカロリーがあるのだそうです)。

しかしながら、それでもやはりお腹がぐぅぐぅ言い出したため、登りの途中ながらややフラットなスポットを見つけて食事休憩する事にしました。

カロリーメートフルサイズを食べていると(普段はハーフサイズです)、レーパン・サイクルジャージ・ビンディングペダルで、かつ、なんら荷物を持っていないロードレーサー乗りさんが通り過ぎていきました。

彼「こんにちは~♪」 & 私「こんにちは~♪」

その時私は、「北海道でさえも自転車ブームが来たのだなぁ」と感慨にふける事しばしでした。

北海道、と言うと広すぎるので例えば石狩平野の札幌市近辺の平野部&豪雪地帯に限ってお話しますが・・・・初雪は10月下旬。桜が咲くのは5月の上旬・中旬くらいです。自転車が快適に走れるのって5月中旬からせいぜい10月中旬くらいの5ヶ月間くらいなのです。

そんな中、スポーツ系自転車に乗る人が少なからずいるというのは、自転車ブーム抜きにしては考えられないと思います。

樽前山を実感できないなぁ

ところで、自分が今どこいらへんを走っているのかちっとも実感できません。事前に確認していた地図情報から考えるに間違いなく「樽前山のどこか」を走っている事は間違いないのですが。

しかしながら、麓の景色が見られるわけでもなく、また、樽前山の山頂付近が見られるわけでもなく。

そんなワケでヒルクライムをしているっていう実感はイマイチでした。

なんか気づいたら最高標高地点に到達したらしい

そして、またまたお腹が空いてきました。コースとしてはさほどきつくなかったけれども、でも、確実に距離と標高は稼いでいるわけですから、そりゃぁ、お腹が減りますよね~。なんかもっとコンパクトで、あまり重たくはなくて、かつ、高カロリーな補給食はないものだろうか?

そんな事を考えながら登っていると、どうやら最高標高地点に到達したらしいです。というのは以降、ずっと下り基調だったから。

 多分だけど最高標高地点付近

どうやら樽前山登山口らしい

そのまま下り続けていると分岐点らしい場所に到達しました。

 樽前山登山口

 樽前山と支笏湖畔の分かれ道(T字路)

ここでも所謂「登山ブーム」というやつを実感しました。大部分の車が樽前山(の駐車場)方面へと移動していたからです。

それで支笏湖方面へと向かうわけだが・・・激坂だった!

そんなワケで支笏湖方面へと下って行ったわけですが。驚いてしまいました。その理由は・・・・

これまでとはうって変わってとんでもない激坂に変わったからです。同じ道道なのに、道幅は極端に狭くなり、傾斜は急になり、まがりくねっているので見通しも悪く。しかも観光地だけあって実に大勢の車が行き来します。

強めにブレーキをかけ続けながら慎重に降りて行くことにしました。

 道道とは言え、まるで林道のような曲がりくねった道

道の曲がりくねった状態は筑波山の林道に似ていますが、やはりここは北海道。生えている植物が本州とは明らかに違います。

これまでは標高差460メートルを、広い広い道&徐々に徐々にゆ~っくりと登ってきたわけです。だから結構写真も撮れましたし、お腹が減った以外では休憩の必要もない、そんなとぉ~っても走りやすい道でしたが。

しかし、下りはそんな余裕は全くなく。自転車を停められるような場所も殆どなく、写真もそこそに下っていく事しばし。するとどうにかこうにか支笏湖畔の国道(&分岐点)のT字路に行き当たりました。

国道276号線

今回の目的地は向かって右側。

支笏湖畔へ

ここからはそんなに傾斜がきつくもないし、道幅がそれなりにある国道。ゆ~っくり&の~んびりと下って行きます。

そんなちょっとした余裕があったせいか、改めて次の事が気になりました。「そういえば、俺、本当に樽前山の麓を走っていたのかな~?それに樽前山ってどういう形の山なんだろう?」どうしても気になったので歩道に自転車を停めて、自分が今来た道(支笏湖畔の国道)の方を振り返ってみる事にしました。するとそこには確かに樽前山の姿がありました。

樽前山

山の中腹にいる時には全く実感できなかった「樽前山の中を走っている」点を改めて確認して出発。そしてどうにかこうにか支笏湖畔に到着しました。

まずは「チップ」だ!

既に登りの途中でお腹がぐぅぐぅ言っていましたから、支笏湖畔に到着した途端に真っ先に目指したのは食堂。湖の透明度を実感する前にとにかく「チップ」を目印にして食堂を探しました。

 チップ定食

ところで、チップって何?

「チップ」とは、アイヌ語で「ヒメマス」の事です。

ヒメマスはサケ科の魚で、チミケップ湖(阿寒湖に近い)が原産のお魚です。阿寒湖や中禅寺湖、クニマスの発見で一躍注目された西湖、そしてこの支笏湖などにも移植されており、そこそこ知名度はあるかもしれませんね。

このヒメマスは紅サケが陸封されたものであり、もし海と陸とを行き来するとすればそれは即ち「紅サケ」になります。

久しぶりのチップ。美味しくいただきました。

適当に湖岸北側を走ってみる

ようやくお腹が満たされた私は、自分にとっての未知なる世界である「湖の北側」を走ってみる事にしました。南岸の方はレンタカーで走ってみた事があったのですが、北側は今回が初めてです。

走り始めてみると、道幅も路側帯もあまりないしで(片側は山肌、湖側はガードレールで覆われているから)、中々写真を取るチャンスがありません。

そんな中、ちょっと道幅が広くなっている場所がありましたので自転車を停めて写真撮影する事ができました。

ちょうど支笏湖の対岸にの方向に、風不死(フップシ)岳と樽前山が見えました。

 風不死岳(右手前)と樽前山(左奥)

また、進行方向湖の奥側には恵庭岳を臨む事ができます。

恵庭岳

こうして周りをぐるりと見渡してみると、支笏湖がカルデラ湖である事を強く実感できます。周りをぐるっと覆う山の中にぽっかり空いた大きな穴。これこそがカルデラ湖の特徴です。

さて、そろそろ戻りますか

未知の支笏湖の北側をほんのちょっとでも体験できた事、支笏湖の先に風不死岳と樽前山という景色を楽しめた事、そろそろ帰らないと明るいウチに苫小牧に辿りつけない事から、支笏湖畔を走る旅はここで終わる事にしました。

本当は支笏湖一周とか、あるいは峠を越えて札幌に抜けるとか。色々とやりたい事はあったのですが、やっぱりこの時期は無理でした。

支笏湖畔にどうにか宿泊ができれば色々と自由度があがってそういう事もできたと思うのですが、札幌にも新千歳空港にも苫小牧港にも程近い観光地。しかも夏休み期間中の北海道。2ヶ月前にネットで宿泊施設を探したのですがどこもかしこも満杯。まぁ、しょうがないよね~。

それにしてもこの不思議な感触は?

そんなこんなで、心残りがいっぱいながらもどうにかこうにか苫小牧へ戻ろうと決心したしたまさにその時、私はとても不思議な感触を覚えました。

「あれ~?支笏湖ってこんなに近かったんだっけ???」

以前に支笏湖を訪れたのは、およそ10年前。新千歳空港近くで借りたレンタカーを使っての旅でした(当時は、40台の前半でした)。あの時はけっこう距離があるなぁ~なんて思っていた記憶が。

一方、今回はもっと遠い距離を自転車での旅。それなのになんでこんなに「近い」と感じたのだろう?

暫く考えてその理由に気づきました。距離や地形が変わるわけもなく。変わっているものがあるとすればそれは間違いなく私自身なのです。

そういえば北海道在住時代、一日の最大自転車移動距離って最高でも20Kmでした。それでも結構疲れた記憶があります。その後に熱出して寝込んだりとかね。(私、虚弱体質なもので・・・)

それが50歳を超えた今は、平地のみ100Km超/一日なんてそんなに珍しい事でもなく。ヒルクライムも時間はかかりますが、自身は楽しいと思っているし。

「そっか~。人間ってほんのちょっとしたきっかけで(※)、こんなにも変われるだなぁ~」と、生まれて初めて実感したのでした。

つくば道でママチャリを押して登った事・・・・


支笏湖ぶらり旅(その2)

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