目指せチキウ(地球)岬! (苫小牧 ~ 室蘭)

チキウ岬とは?

チキウ岬とは北海道室蘭市母恋にある岬の事です。一般には地球岬と表記されます。私はてっきり「地球が丸い事を感じられる場所」、あるいは「地球が見渡せる場所」の「地球岬」だと思っていたのですが、はてなのページによりますと「地球」は当て字なのだとか。

元々の地名はアイヌ語で「崖」を意味する「チケップ」。それがチケップ→チケウェ→チキウ→チキュウと転化し、そのチキュウの当て字として「地球」の文字が使われているのだそうです。

その元々の意味の通り、地球岬は太平洋に面した崖の上にあって眺めはとてもよいと聞いてはいました。ただ、実家からは相当に遠いのと、室蘭の近くには有珠山と昭和新山、洞爺湖、登別温泉など魅力いっぱいの場所がたくさんあり、どちらかというとそちらの方を優先していた事。更に加えて「地球岬」という地名を初めて聞いたのは既に関東地方に住んでいたおよそ30年くらい前。そんな理由から実は地球岬はまだ一度も訪れたことがなかったのです。今回は室蘭から比較的近い苫小牧(距離約70キロ)を拠点にしている事もあり、思い切って行ってみることにしました。

データベース

走行日
2012年8月18日(土曜日)
ルート
苫小牧駅 ~ 室蘭市チキウ岬

旅先という事もあり、今回のルート選びは携帯電話の地図アプリを参考にしています。その地図では室蘭市母恋地区から地球岬への道路は確認できませんでした。そのため地球岬へは歩いて登るのだなぁと思っていました。そんなわけで今回の旅の目的はあくまでも苫小牧から室蘭までの海岸線の眺めを堪能する事。けして(いつものように)坂を登る事が目的ではなかったのですよ、念のため。

海を眺めての旅とはいかず

苫小牧駅から国道36号線へと移動。その後はひたすら室蘭方面へ向けて出発です。今日の天気は生憎の曇り。ただ、海の近くを走っているせいか、あまり蒸し暑さは感じません。

市街地を抜けるとやがて海岸線が見えるハズ、と思っていたのですが。それは私の勘違いというか、うっかりというか。いつものごとく「ウマシカ」ぶりを発揮していただけでした、残念ながら。携帯電話の地図という「小さい画面」で見れば、そりゃぁ海岸線は近かったですよ。でもねぇ、縮尺を考えれば目と鼻の先のワケがなかったのです。ワハハハ~。

以降、より海岸線に近い道路や場所を見つけるとそちらへ移動。道がなくなると国道36号線へ戻ってくるを繰り返して、今回の旅の目的である「海を眺めながらのサイクリング」を堪能しました。

堤防沿いの道から太平洋を眺める

国道を離れて海沿いの道へ

北海道らしい風景

国道36号線を走っていると改めて「北海道らしいなぁ」と感じる事が多々あります。

先ず、気温が低めで湿度が低いこと。真夏のこの時季に自転車で走っていると大量の汗をかきますが、吸湿速乾性に優れているサイクルウェアという事もあって汗がすぐに蒸発してしまいます。お陰で汗ふきタオルを使う機会がほとんどありません。

そして次に感じるのは、とにかく道が広くてまっすぐという事。広さについては写真をご覧ください。直線という点に関しては、海岸線に沿って走っているという事もありその長さを実感できます。

苫小牧市内の国道36号線

 見渡す限り一直線な国道

更に加えて車密度が低いですから、自転車で走るのがとっても楽です。街の中は別としても、ひとたび郊外に出てしまうと信号待ちをしていた車の集団(概ね5台~20台程度)が去ってしまうと暫くは車の流れが途切れてしまうほどです。まぁ、この辺りは国道に平行して高速道路がありますからね。遠出の方はそちらを走るワケで。そういう理由もあるのでしょうね。

そして最後に「お店がなかなか見つからない」という事です。国道を10キロ以上走っても次のコンビニが見つからないなんてのは、道内の郊外では半ば常識。水分や補給食は常に余裕を持って走ってくださいね>道外勢の方々

青い空と海と

午前中は雲に覆われていましたが、午後になって天候は晴れへと変化。海岸線のごく近くを走っている時にふと海を見やると、その見事なまでの青さに改めて感心しました。普段見慣れた茨城の海とは明らかに「青の純度」が違います。

「海の色って本当はこんなに綺麗な青だったんだぁ!」

この色の違いの理由を考えてみました。北海道にはまだまだ自然が残されているという事もありますが、なによりもこのあたりには海水浴場がないというのが一番の理由かなぁ?と思っています。北海道の海水浴場はもっぱら日本海側に集中しており、太平洋側のこの区間には海水浴場は見当たりません。いくら北海道の海が綺麗だと言っても、夏の石狩浜(道内最大規模の海水浴場がある)で「綺麗な海だなぁ」なんて感じた事は一度もないですもん(笑)。

そして空を見やると、本当に真っ青な空が広がっていました。北海道の空が青々としているのは、これはもう空気が綺麗だからという点につきます。

 真っ青な海と空

チャリダー達

国道を一旦離れて海岸沿いを走り、道がなくなったところでまた国道に戻ったところ、チャリダーと出くわしました。そのチャリダーさんもこちらに気づき、お互いに軽く一礼した後そのまま国道を進んでいきました。

今日の私のいでたちはまるで地元の自転車乗りといった風情。というのも、荷台やらバッグやらはホテルにおいてきましたから。

一方、重たい荷物を積んで前方を走っているチャリダーさん。徐々にではありますがその距離は縮まってきて、やがて私はそのチャリダーさんを抜き、そして私の視界からは完全に消えてしまいました。

と、ここで視界から消えっぱなしだとしたら話は続かないのですが。そこはなんと言ってもこの私。勿論そのままで終わるわけがありません。

道産子とは言え、こちとらも旅行者。しかも初めて走る道です。海を眺めては写真をパチリ。お馬さん(競走馬)を見てはパチリ。

お馬さんのいる牧場(白老付近)

さて、そんな風になにか興味がそそられるものがある度に自転車を停めていると、当然の事ながら先ほど追い越したチャリダーさんに追い越されます。あるいは「暑いなぁ、アイス食べよう」とか、「お腹が空いたからコンビニで補給しようとか」。そんなこんなで私が追いつき追い越ししているチャリダーさんも、私が自転車を停めている間に私を追い越し・・・・(以下、繰り返し)。

そんな追いつき・追い越されを、この日だけで3人のチャリダーさんとやっていました。

それにしても彼らは一心不乱にペダルを漕ぎ続けています。走る事それ自体が目的のロード乗りさんに近いものを感じました。

おそらく彼らは彼らなりにきっちりとした予定があり、余計な事をする余裕などないのでしょう。「明日はどこを走ろうかなぁ?」なんて、前日にコースを決めている私とは大違いです。

そんな事を繰り返していると、やがて前方に室蘭の小高い山並みが見えてきました。

室蘭の小高い山々(左手前)

母恋駅

国道36号線を目的地に向けて走る事しばし。ちょうど母恋駅のところで「左折すると地球岬」の看板を確認できました。

 母恋駅

母恋駅は国鉄時代にちょっとだけ話題になった駅という記憶があります。

今では列車の乗り降りにはFelica(Suica,Pasmo...etc)をタッチするだけで済みますが。遥か昔は「切符」という、硬い紙に出発地点と終着地点が印刷されたモノを購入しなければ、鉄道車両に乗り降りができなかったのです。

そこで一躍注目を浴びたのが、「愛国 → 幸福」という、国鉄広尾線(現在は廃線)の切符でした。「愛の国から幸福へ」という、なんともロマンチックな切符ですよね?

そういうものに便乗したのかどうかは分かりませんが、この「母恋」駅の入場券も一頃はちょっとだけ騒がれた記憶があります。「母恋し」と言ったところでしょうか?

ただ、そもそも「入場券」とか、「切符を購入」という文化時代が我々一般人の感覚とはかけ離れてしまっているのでしょうね。母恋駅は現役ではありますが、看板とは裏腹に私が立ち寄った時にはそもそも窓口が閉まっておりました。

そんな「ちょっとした鉄道ファン」の悲哀を感じながら、来た道を左折して今回の目的地である「チキウ岬」へと向かいます。

母恋駅 ~ チキウ岬(地球岬)

まずは休憩

暫くは緩やかな登り坂が続きます。シティサイクルで苦しそうな素振りも見せずに登っている人がいた位の坂ですから、どうってことのない傾斜です。

とは言え、午後からは日差しが燦々と照り続けていた事もあり、暑さのためにコンビニで休憩。アイスキャンディとアイスコーヒーで補給&体温を下げて、いざ、出発。今後道に迷った時に備えて標識の写真も撮りました。

 地球岬まで1.8Km地点

携帯電話の地図アプリでは地球岬へ直接行ける道はなかったワケですから、「あと少し緩やかな坂道を自転車で漕げば、地球岬へ歩いて登るコースの始まり」と思っていました。

突如激坂が出現

しかしながら、いくらペダルを漕いでも「車道の終わり」に出会えません。そろそろ道が終わってもいいのに、なんか変だな~?と思っていると。。。

緩やかな坂道は突然に激坂に変わりました。どの程度の激坂だったかと言いますと、私が自転車を停めて写真を撮る余裕がないくらいの立派な激坂でした。そんなワケで写真はありません。

その激坂区間は割りとすぐに終わってしまったのですが、既に70キロ以上を走ってきた身には結構堪えました。

「単に暑かったからという偶然の理由とは言え、さっきあのコンビニで水分・糖分補給&休憩しておいてしてよかった~」と、強い日差しのお天道様に思わず感謝してしまいました。

分岐点とその絶景

そんなこんなで頑張ってペダルを漕いで・・・・いや、違うな。

無理にペダルを漕いで筋肉にダメージを受けたくないからこそ、フロントインナーにしたわけで。むしろ頑張らなくても済むようにペダルをゆっくりと漕いで、いつものようにヘロッ、ヘロッ」と登って行くと。

やがてT字路にでくわしました。

 トッカリショと地球岬の分岐点

右方向へ進めば、目的地の地球岬(チキウ岬)。

ところで、左側の「トッカリショ」とは一体全体なんぞや?新たなる謎の地名の出現です。気にはなりますが、今回の目的地は地球岬なのでそちらへ進む事に決めました。

そしてどうやら激坂区間も終わったようですので、この場所で小休止&情報を集めてみる事にしました。

金屏風

案内板によりますとこの分岐点は「金屏風」と呼ばれているようです。

 金屏風の案内板

「赤褐色を帯びた断崖に太陽が映える時」とは、なんて素敵な響きでしょう!是非一度その光景を拝みたい所ですが、その為には少なくとも日の出前にこの場所に居なくてはならず。今回は断念して地球岬へと急ぎます。

 金屏風からの眺め

目指せ地球岬

金屏風から地球岬までの道はこれと言った激坂もなく、スイスイと登ってこられました。登りながら思った事、それは・・・・・

「こんなに美味しい坂道なのだから、恐らく大勢の自転車乗りが登って来ている事だろうなぁ。」

最初から最後まで激坂だとしたら私のような「坂道ウマシカ」しかチャレンジしないだろうし、かと言って一部の激坂区間が全くなければ誰もわざわざチャレンジしようとは思わないだろうし。

地球岬

そしてどうにかこうにかチキウ岬(地球岬)の入り口へとへと辿り着きました。「入り口」と表現したのは、駐車場があって車で来た方はここまでという意味です。一方、歩いて or 自転車で行ける道はまだ先まで続いており、私はそちらを目指しました。

「あれ~?結局の所、チキウ(地球)岬へ直接行く道路ってあったのね~」。

「行ける所まで自転車で行き、そして残りは歩いて断崖を登ればいいさ」と思っていた私としては、願ったり叶ったりであり、なんら不満はないどころか坂道を堪能できて嬉しい限りですから。そのまま自転車で行ける地球岬の一番高いところまで行って景色を堪能しました。

と、道端を見やると既にクロスバイクを置いてある先客が。持ち主は見当たりませんが「やっぱり、こういう美味しい坂道を自転車乗りが放って置くわけがないよなぁ」と思いつつ、その先へ目指します。

 地球岬の看板に自転車を停めて記念撮影

そしてどうにか「地球岬」の看板のあるところまでたどり着きました。

更に高い所を目指す

ここから先は階段が待ち受けていました。その為、自転車はこの看板付近に停めておく事にして。そこから先は階段を登ってより高い場所目指します。

展望台からの眺め

そこに待ち構えていたのは360度のパノラマです。

パノラマ写真

遠く渡島半島を臨む

太平洋、有珠山や昭和新山は勿論の事、遠く渡島半島やら生駒岳まで確認する事ができます。これほどまでに見事なパノラマ風景は、富士山山頂くらいしか経験がありません。自分にとって&知る限り、北海道で一番の眺めの良さだと思います。

いつまでもいつまでもここに居たいなぁと思っしまう反面、現実には暗くなる前に東室蘭駅にたどり着かなければならないわけで。諦めて出発・・・と、その前に。お腹が減ってきたので、近くのお店で食料補給です。

とても運がよかったらしい

お店にはいろいろと食指を動かされるものがあったのですが、せっかくの北海道ですのでツブ貝(マツブ)を注文しました。マツブはサザエのような形をした巻貝で、身に黒のつぶつぶがあるのが特徴です(この点もサザエっぽい)。エゾアワビ、ホッキ貝と並んで北海道を代表する貝の一種です。

そのお店の経営者らしき女性に聞いたのですが、私は本当に運がよかったそうです。夏のこの時期、北海道の太平洋側は霧に覆われている事が多く(その点は私も重々承知していますが)、360度の景色を楽しめるのはそうそうあることではないとの事でした。

そういえば展望台で二人連れの女性同士が「ここって、こんなによく景色が見えるんだぁ。知らなかった。あれは渡島半島だよね」と言った会話をしていました。今にして思えば、何度かここを訪れた事がある人でもここまでの眺望は初めての経験、という意味だったのでしょうね。

さてさて、暗くなる前に東室蘭駅へたどり着くためにはそろそろ出発しなければなりません。そう思って自転車を走らせようとしたところ、今度はロード乗りがチキウ岬まで登ってきました。改めて「自転車乗りっていうのは、坂道を見ると登りたくなるものなんだなぁ」と実感。

どうにか明るいうちに東室蘭駅に到着。鉄道輪行して苫小牧へと帰りました。

感想など

夏の時期の北海道の主要道路は広い&交通密度が低いのでとても走りやすい。湿気の低さは自転車乗りに限らず、運動をするものにとってはとても快適。


庶民チャリダー

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